ラグビーのニュージーランド(NZ)代表とオーストラリア(豪州)代表が激突する伝統の定期戦「ブレディスロー杯」が27日、横浜市港北区の日産スタジアムで開催された。地元自治体にとっては、開幕まで1年を切ったワールドカップ(W杯)の「前哨戦」となる国際試合。会場には約4万6千人の観戦客が詰め掛け、迫力のプレーに歓声を上げた。
9年ぶり2度目の日本開催となる定期戦は、前回2015年のW杯決勝戦と同じカード。強豪国が威信を懸けた白熱の試合を繰り広げ、トライが決まる度にスタンドがどよめいた。
横浜市や県は、W杯本番に向けて課題を検証する機会とし、会場周辺の警備や観戦客の誘導方法などを検証。JR新横浜駅などからの路上にはボランティアが立ち、外国人観戦客らをガイドした。
両チームのフラッグがまちを彩り、対戦を盛り上げるイベントも複数開催。隣接する日産フィールド小机では、地元ラグビースクールの小学生らがNZと豪州の子どもたちとの親善試合で交流を深めた。
一方、観客動員数は昨年開催された日本対豪州のテストマッチ(4万3千人)を上回ったものの、国内最大級の7万2千人を収容する同スタジアムを「満員」にする目標には届かなかった。県の担当者は「国際基準の大会運営を実戦で試せた成果は大きい。今回つかんだ手応えを本番につなげたい」などと語った。