北条氏綱の歩み振り返る 小田原城で特別展

 北条氏綱から続く小田原500年の歴史を紹介する特別展が27日から、小田原城天守閣(神奈川県小田原市城内)で始まった。馬具や絵図、発掘調査の出土品など約400点の資料を通し、後北条氏発展の礎を築いた2代目氏綱の功績や城下のこれまでの歩みを振り返ることができる。12月24日まで。

 市内では初公開となるのが、氏綱が花押を据えた馬具「唐草(からくさ)螺鈿鞍(らでんくら)」(菟足(うたり)神社蔵・愛知県豊川市指定文化財)。内股が当たる部分にこすれた跡が見て取れる。また九州以南でしか入手できなかった夜光貝などの貴重な素材と、高度な技術が組み合わさった逸品だ。

 ほかに、氏綱が「伊勢」を名乗った最後の署名「大永三年銘 伊勢氏綱社殿造営棟札(むなふだ)」(箱根神社蔵)、小田原が経済の中心だったことを裏付ける白磁の皿や高級磁器といった出土品、城下の繁栄ぶりがうかがえる「相州小田原古絵図」(通称加藤図、小田原市立図書館蔵)などが一堂に展示されている。

 今年は小田原開府、来年は北条早雲没後それぞれ500年を迎えることを記念する「北条早雲公顕彰事業」の関連行事として、天守閣が主催した。

 特別展は午前9時から午後5時まで。関連イベントとして、11月10日にシンポジウム「戦国都市小田原の風景」、12月1、15の両日に特別講演会「小田原開府五百年のあゆみ」がそれぞれ開かれる予定。特別展、関連イベントに関する問い合わせは、小田原城総合管理事務所電話0465(23)1373。

唐草螺鈿鞍(中央)など、氏綱にまつわる貴重な品が並ぶ特別展 =小田原城天守閣

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