BSL4計画 周辺住民、不安訴える声 長崎大側へ

 長崎大が長崎市の坂本キャンパスに建設を計画している感染症研究施設「バイオセーフティーレベル4(BSL4)」について、周辺住民が10月27日、長崎市内で、住宅密集地そばに同施設を設置することに決まった経緯などについて大学側に質問。研究者が同キャンパスに多数いることや災害リスクの低さなどを担当者が説明したが、住民からは不安や建設反対の声が相次いだ。

 近隣2自治会が主催し、住民ら約50人が出席。住民からは、エボラウイルスなど特に危険な病原体を同施設で扱い、それが施設外に出て感染する可能性について不安の声が続出。大学側は安全対策について説明し「どういうリスクがあるか(有識者や住民代表らでつくる)地域連絡協議会で議論をしており、皆さんの命を危険にさらすことはない」などと訴えたが、「子や孫の代まで恐怖におびえることは耐えられない」などの声が上がった。

 第三者機関によるチェック機能を求める意見も出たが、大学側は外部チェック機能として「文部科学省の監理委員会や、厚生労働省や警察庁の立ち入り検査がある」と説明するにとどめた。このほか地域連絡協議会の議論が、参加している住民代表から他の住民に伝えられていないとして、大学側に改善を求める意見もあった。

 終了後、長崎大の調漸(しらべすすむ)学長特別補佐は報道陣に「今後も住民合意が得られるよう努力する」と述べた。

住民にBSL4への理解を訴える調学長特別補佐(右から2人目)ら=長崎市平和町、同町公民館

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