阪神から指名の川原投手(創成館) 甲子園で飛躍誓う 「力をつけて1軍へ」

 25日のプロ野球ドラフト会議で阪神から5位指名を受けた創成館高の川原陸投手(17)。大型左腕としてチームを支え、昨秋の明治神宮大会で根尾昂内野手と藤原恭大外野手の“ドラ1”選手を擁する大阪桐蔭高を倒して準優勝するなど、全国でも実績を残して夢をつかんだ。阪神の本拠地は自身が今年春夏連続で出場して喜びも悔しさも味わった甲子園。新たなステージでどんな活躍を見せてくれるのか。高校野球を振り返り、抱負などを語ってもらった。

 ■創成館初のドラフト指名選手。心境は。
 4巡目の指名くらいから足が震えていた。ホッとしたのが一番。まだユニホームを着たわけではないが、プロになれるんだと、本当にうれしい。一緒に喜んでくれたチームメートの中に飛び込んだ瞬間は最高だった。寮に帰ったら友達とかからのLINE(ライン)のメッセージが120件も来ていて驚いた。

 ■3年間の思い出は。
 2年の夏(長崎大会の準々決勝で救援登板したが、1死も取れずに降板して敗戦)がなければ、今の自分も、チームもない。先輩には申し訳ないことをしたが、あれが大きかった。本当に感謝している。自分たちの代で三度も全国に行けたのも、みんなのおかげ。

 ■どんな点が評価されたと感じているか。
 全国の大舞台で、いい経験をさせてもらったからだと思う。マウンド上でも、以前はおどおどしていたこともあったが、堂々と投げられるようになっていった。

 ■課題は。
 フォームなら下半身の体重移動や体の切れ。球速も遅い。140キロ台後半に上げる。変化球の精度も低い。落ちる球を覚えたい。1、2年前と比べたら体の線は太くなったが、まだ全然。きついメニューにも自覚を持って取り組み、一から体をつくり直すつもり。

 ■目標とする選手は。
 阪神の能見篤史投手のように、どんなときも表情を変えない選手になりたい。阪神ファンは激しい印象。厳しい激励にも負けずに頑張る。絶対に打たれん、という気持ちは大事。最近では巨人の菅野智之投手のような。クライマックスシリーズでの無安打無得点は本当にすごいなと思った。

 ■対戦したい選手は。
 日本ハムの中田翔内野手ら日本を代表するスラッガー。ちょっとでも球がずれたらホームランを打たれるようなギリギリの勝負を楽しめるようになっていければ。

 ■本拠地は甲子園。
 サヨナラで勝ったり、逆に負けたり、甲子園では本当にいろんな思い出ができた。しっかりと力をつけてから1軍に上がりたい。

 ■大阪桐蔭高の根尾、藤原両選手や金足農高(秋田)の吉田輝星投手ら話題を呼んだ選手と一緒にプロ入りするが。
 明治神宮大会で根尾選手から三振を取ったのは覚えている。また三振を取りたい。負けたくない。

 ■古里の長崎にどんなプレーを見せたいか。
 自分がニュースなどに出ることで恩返しになるのかなと思う。友達からは“阪神ファンになる”と言われている。長崎代表として行くので、勇気を持ってもらえるようなプレーをやっていきたい。

 【略歴】かわはら・りく 長崎市出身。三原小1年でソフトボールを始め、3~6年は軟式野球クラブでプレー。三川中時代は硬式の長崎北リトルシニアで投手兼外野手として活躍し、3年時に国際大会を経験した。創成館高入学後は2年春から投手に専念。140キロ超の直球とスライダーなどを武器に、昨秋の九州大会優勝、明治神宮大会準V、今春の選抜大会8強に貢献した。今夏の甲子園は1回戦敗退。身長184センチ、体重82キロ。最近の楽しみは一学年上の捕手で俳優になった先輩の出演ドラマを見ること。

「力をつけて1軍に上がりたい」とプロでの飛躍を誓う川原=諫早市、創成館高「若竹寮」
昨秋の明治神宮大会、今年春の選抜大会、夏の全国高校野球選手権と三つの大舞台で力投した川原=兵庫県西宮市、甲子園球場

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