長崎東高70周年 1300人が節目祝う

 11月1日に創立70周年を迎える長崎県立長崎東高の記念式典が28日、長崎市立山5丁目の同校で開かれ、約1300人が節目を祝った。卒業生のパネルディスカッションがあり、第3回生で日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員、田中熙巳さん(86)らが後輩を激励。在校生を欧州に派遣する記念事業も発表した。

 長崎東高は1948年11月1日長崎県立長崎高(旧制長崎中)、長崎県立長崎女子高(旧制長崎高等女学校)など4校の統廃合を受け創立。1976年、現在地に移転した。2004年、併設型中高一貫校となり、2015年に国際科設置。2017年度までに計2万9994人が卒業した。

 記念式典で、生徒会長の2年、平田俊輔さん(17)が「先輩方が積みあげてくださった『東らしさ』を受け継ぎ、立派な伝統の一部になれるよう精進する」と決意を述べた。

 「羽ばたけ!『ひがし』から世界へ」と題したパネル討論には4人が登壇。田中さんは「戦後の混乱がまだ続いていた時代。家庭は貧しく、アルバイトをしながら勉強した。バスケットボールもやっていた」と懐かしんだ。「グローバル化が進む中、情報をどのように世界へ伝えていくかを考えて。歴史の中の自分を常に意識して」と在校生へエールを送った。

 記念事業は本年度から10年間、生徒を派遣する。この日、3月にオランダへ渡る6人が発表された。

70周年を祝い、万歳三唱する生徒たち=長崎東高
在校生へエールを送る田中さん(左)

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