路線バス追突、直前にも接触事故か 1人死亡6人重軽傷

 28日午後9時15分ごろ、横浜市西区桜木町4丁目の国道16号で、路線バス2台と乗用車が絡む事故があった。最初に乗用車に追突した神奈川中央交通(平塚市)の乗客だった男子高校1年生(16)=横浜市都筑区=が死亡。神奈中バスの運転手(50)=同市戸塚区=と乗客ら計6人が重軽傷を負った。事故現場には明確なブレーキ痕はなく、神奈中バスは直前にも高架橋の支柱などに接触する事故を起こしていたとみられ、県警は運転手の回復を待って事情を聴くなどして、詳しい事故原因を調べる。

 同社は同日、運転手が「事故直前に一時意識を失っていた」という趣旨の電話連絡を事故後にしてきたと、国土交通省に報告した。

 戸部署によると、神奈中バスは赤信号で停車していた乗用車に追突、道路左側の支柱に突っ込んで停車した。乗用車は追突された弾みで前方に止まっていた横浜市営バスに衝突した。運転手は重傷、高校生の母親(48)と22~49歳の男女3人の乗客計4人のほか、乗用車を運転していた会社員の男性(27)が軽傷を負った。市営バスの運転手や乗客にけがはなかった。

 現場は、紅葉坂交差点に近い片側3車線の直線。県警は、死傷事故の約200メートル手前の道路上で神奈中バスのサイドミラーを押収。死傷事故の直前に支柱やガードレールに接触する事故を起こしたとみて死傷事故との関連などを調べる。

 神奈中によると、同バスは同日午後9時10分ごろに横浜駅東口を出発し、戸塚駅東口に向かう系統だった。運転手は勤続17年4カ月で、同路線の運行経験もあった。年2回の健康診断を直近で4月に受け、特に問題はなかった。

 同社は29日、ホームページに「事故により亡くなった方の冥福を祈るとともに、ご遺族の皆様に心よりお詫び申し上げます。事故原因は調査中ですが、再発防止に向けてより一層の安全運行に取り組みます」とのコメントを掲載した。

事故で大破した神奈川中央交通の路線バス(右)と追突された乗用車(左手前)=28日午後10時35分ごろ、横浜市西区桜木町4丁目

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