BTCC:撤退するホンダのサテライトチームをAmDが引き継ぎ。アウディ、ホンダの4台体制に

 2018年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権でMG6 GTとアウディS3セダン各2台の4台体制で参戦したAmDチューニング.comチームは、アウディに新スポンサーを迎えエントリー名とカラーリングを一新すると同時に、今季限りでの参戦休止を発表したホンダのサテライト、ユーロテック・レーシングのマシンや参戦枠を買い取り、MG6に代えてFK2型ホンダ・シビック・タイプRをラインナップに加えることとなった。

 2018年にもアウディのスポンサーとして名を連ねた自動車販売業のトレード・プライス・カーズは、新たにAmDの持つふたつのTOCA BTCCライセンスを購入し『トレード・プライス・カーズ・レーシング』として2019年BTCCシーズンにエントリーすることを決めた。

 引き続きチームのオペレーションはショーン・オランビー率いるAmDが担当し、契約期間は2年間とされたが、この決断に際してトレード・プライス・カーズ代表のダン・カービィは「BTCCへの関与を拡大する時期に来た」と語った。

「2018年からアウディのスポンサーとしてシリーズに関わってきたが、AmDとの関係性は非常に魅力的で、自らの社名を冠したアウディで戦うことはビジネスの面でも大きな効果が見込めるだろう」

「2019年はアウディS3のポテンシャルをさらに引き出せることに自信を持っているし、ともに戦ってくれるドライバーとも交渉を進めているところだ」

 AmDが最初にアウディを投入したのは2015年で、当初はロテック・レーシングが開発した車両を引き継いでのエントリーだった。年々AmDの手で改良が続けられたS3セダンは、2018年から2台体制に拡大。ポイントフィニッシュの常連にまで進歩を見せ、シーズン開幕のブランズハッチではオリー・ジャクソンが初表彰台を獲得している。

 引き続きAmDの代表として『トレード・プライス・カーズ・レーシング』の監督も務めるオランビーは「このパートナーシップはチームにとっても非常にエキサイティングな決断だ」と、歓迎の意向を示した。

「別の業態で成功を収めた企業とコラボレーションするのは、チームにとっても理にかなった判断だった。アウディは確実な進歩を見せているし、開幕までにさらなるアップグレードも予定している」

 一方、AmDは今季限りでシリーズからの活動撤退を表明したユーロテック・レーシングの参戦枠を購入し、彼らが走らせていたFK2型ホンダ・シビック・タイプRの2台をラインアップに追加し、2018年までアウディのタイトルスポンサーとして活動したコブラ・スポーツ・エキゾーストのカラーリングでシリーズに投入する計画も明かした。

「昨シーズンはチームとして初の4台体制にチャレンジしたが、その成功を受けてAmDとしても次のレベルにチャレンジすべきだと感じていたんだ」と続けたオランビー代表。

「我々はトリプルエイト・レースエンジニアリングから引き継いだMG6 GTで良い戦績を残してきたが、ジェフ・スミス率いるユーロテック・ホンダがシリーズでどれほどの活躍を演じてきたかは、リザルトの統計を見るまでもなく明らかだ」

「このFK2シビックを入手することは、我々のゲームを確実に次のレベルへと引き上げ、我々をグリッドの最前列、そして狙うべき最高の到達点に連れて行ってくれると確信している。その目標をともに目指せるドライバーたちとも交渉を始めているところだ」

 コブラ・スポーツAmDレーシングは、このFK2型ホンダ・シビック・タイプRの新カラーリングとドライバー・ラインアップを近日中にはアナウンスするとしている。

© 株式会社三栄