LEDで棚田ライトアップ あすから平戸・春日集落

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を記念し、構成資産の一つ、春日集落(長崎県平戸市春日町)では11月1日から、棚田を5千個の発光ダイオード(LED)ライトで彩るイベント「春日の祈り」(市主催)が始まる。禁教期の面影を残す風景が宵闇の中に浮かび上がる。
 冬場の集落の新たな魅力を創出するイベントにして、市全体の活性化にもつなげようと企画。平戸では1550年にキリスト教の布教が始まり、最盛期に約5千人の信徒がいたとされることから、5千個のLEDライトで彩る。
 約2ヘクタールの棚田に広がるLEDライトは付属の太陽光パネルで蓄電。暗くなると自動で点灯し、30分おきにピンクと青緑に色が変わる仕組み。
 28日から準備作業が始まり、市職員や地元のまちづくり団体「安満の里 春日講」(寺田一男会長)の会員らが参加。除草やあぜに約50センチ間隔でライトを取り付ける作業に取り組んでいる。
 29日までに約8割のLEDライトを設置した。日が沈み、幻想的な光が棚田を包み込むと、寺田会長(67)は「地域が活気づいたようでうれしい。皆が頑張っている姿を先祖に見てもらいたい」と話した。
 ライトアップは11月30日まで。見ごろは午後6時~同8時。市は「多くの人に春日の良さを知ってもらうきっかけになれば」としている。

日が沈んだ後、棚田を彩るLEDライト=平戸市春日町

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