十八と親和 合併半年延期 システム統合に万全期す

 経営統合を予定しているふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)は30日、十八銀とFFG傘下の親和銀行(佐世保市)の合併時期を当初予定の2020年4月から半年間延期すると発表した。システム統合に万全を期すのが理由。FFGと十八銀の経営統合時期は19年4月のままで変更しない。
 システム移行の作業には連休が必要となる。FFGによると、19年のゴールデンウイークは改元に伴い10連休と長く、休み明けの事務処理負担が重なるため回避。年末年始を利用する21年1月にシステムを統合する。これを踏まえ、十八銀と親和銀の合併を20年10月に延期した。
 FFGによると、合併で新銀行が誕生してもシステムが統合されるまでは、旧十八銀の通帳は旧十八銀の現金自動預払機(ATM)でしか使えない。福岡市で会見したFFGの吉戒孝副社長は「合併で便利になったとお客さまが実感できない期間はなるべく短い方がいい」と述べた。
 FFGと十八銀は30日、それぞれ取締役会で経営統合を決め、最終契約(株式交換契約)を締結した。株式交換比率はFFG1、十八銀1・12。十八銀の普通株式1株に対しFFGの同1・12株を割り当てる。
 FFGと十八銀は既に今月1日付で、FFGは5株につき1株、十八銀は10株につき1株の割合で株式併合を済ませた。併合前の水準で換算すると、交換比率はFFG1、十八銀0・56となる。
 吉戒副社長は合併延期の影響について「統合シナジー(相乗)効果が出るのが遅くなるといったお客さまへの不利益は生じない」と強調。同席した十八銀の福富卓専務は株式交換比率について「第三者機関(証券会社)のアドバイスも受け、お互いに納得して合意した。(十八銀の)企業価値を十分評価してもらえた」と述べた。
 十八銀は来年1月18日に開催予定の臨時株主総会に契約案を諮る。FFGは会社法の簡易手続きに基づき株主総会の承認を得ずに進める。

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