日中鉄鋼業、省エネ・環境技術で交流 専門家が最新技術紹介

 日本、中国の鉄鋼メーカーの技術者らが環境・省エネ分野で技術交流する「日中鉄鋼業環境保全・省エネ先進技術専門家交流会」が30日、北海道・苫小牧市で開かれた。日中合わせて約80人の専門家が集まり、最新の技術動向について意見を交わした。

 日本鉄鋼連盟と中国鋼鉄工業協会(CISA)の共催。2005年からスタートした交流会で、今回で10回目。日本側団長を務める鉄鋼連盟の曽谷保博環境・エネルギー政策委員長(JFEスチール副社長)は冒頭の挨拶で、パリ協定をはじめ最近の地球温暖化対策の動きに触れ、「企業には厳しい取り組みが求められるが、日中両国の持続的な発展に結び付けるチャンスでもある。交流会での活発な議論を期待したい」と述べた。

 中国側団長の遅京東CISA副会長は「中国鉄鋼業は、省エネ・環境保全技術の進化で顕著な成果を挙げている」と述べ、日中の交流会が果たした役割を高く評価した。

 交流会では、経済産業省・金属課の木原栄治金属技術室長が基調講演した後、日中合わせて11人の専門家が最新の技術動向などを報告した。

 今回は鉄鋼のLCA(ライフサイクル・アセスメント)評価手法を共通テーマに掲げ、日中双方の専門家が自国の取り組みを紹介。日本は鉄鋼連盟のLCA検討WGの礒原豊司雄主査(新日鉄住金技術総括部上席主幹)がリサイクルプロセスを含めたLCA評価手法を紹介した。

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