紅葉が見頃になった雲仙市の仁田峠で駐車場が混雑し、駐車待ちの車によって道路の渋滞が起きている。週末は終日満車状態で、2時間待ちになることも。市は来年度から、渋滞と駐車場の混雑緩和に向けた実態調査に取り組む方針だ。
仁田峠まで続く市道小浜仁田峠循環線は延長8・2キロの一方通行。2009年4月に県から市に移管され、年間約10万台が通行する。仁田峠には大型車20台分、普通車200台分の駐車場があるが、春のミヤマキリシマや秋の紅葉シーズンには行楽客が集中し、駐車待ちの車によってたびたび渋滞が発生している。
雲仙ロープウェイによると、紅葉が見頃を迎えた週末の27日には約1800台、28日は約2200台が訪れ、最長で2時間待ちだった。登山客が長時間駐車するケースも多く、同社は「駐車は1時間以内で」と呼び掛けているが、効果は薄いのが現状だ。
11月3、4日の週末はさらに混雑するとみられる。雲仙温泉街と仁田峠を巡回する乗り合いタクシーの運転手は「去年は3時間待ちという日もあった。ダイヤ通りに運行できず、何とかしてほしい」とぼやく。
こうした状況に、市は来年度から渋滞対策に乗り出す方針。利用者の滞在時間や目的などの実態を調べ、渋滞の原因や時間帯を分析する。その後、実証実験に取り組む考えで、温泉街の駐車場からシャトルバスを運行するパークアンドライド方式の導入や、循環線の通行を予約制にして通行量を制限するなどの方法を検討している。
市建設部監理課は「観光客の呼び込みを図る上で、渋滞は長年の課題。利用者の利便性向上に向けて前向きに進めたい」としている。
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