〔西之島〕火山活動低下に伴い警戒範囲を火口から500mに縮小(10/31)

ことし7月から活発な噴火活動が続いていた小笠原諸島の西之島について、気象庁は火山活動が低下し、噴火の可能性が低くなったとして、31日18:00、火口周辺警報(入山危険)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引下げる噴火警報を発表し、警戒が必要な範囲を火口から1.5kmの範囲から500mの範囲に縮小しました。
また、噴火の影響が海上や沿岸に及ぶとして付近を航行する船舶に対して警戒を呼びかけていた「火山現象に関する海上警報」について、噴火による影響が及ぶおそれがなくなったとして解除しました。
なお、西之島では、火口から概ね500m以内では、噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒するとともに、島内の広い範囲で冷え固まった溶岩の崩落などに注意が必要です。
西之島では、2013年11月20日に噴煙が初めて確認され、その後の観測で西之島の沖合に新島が出現し、噴火していることが確認されました。西之島では、これ以降もこの新島からの活発な噴火活動が続き、火口から流出した溶岩で島は拡大し、元の西之島をほぼ埋め尽くす形となっています。

一方、31日18:00には、伊豆諸島の青ヶ島の南南東約65km付近にある明神礁を含むベヨネース列岩の噴火警報が解除され、噴火予報(活火山であることに留意)が発表されました。
明神礁では、これまでにも新島形成・消滅を繰り返す海底噴火が度々発生し、1952年(昭和27年)9月24日には海上保安庁の第5海洋丸が噴火に巻き込まれて遭難し、31人が死亡しています。最近でも明神礁の周辺海域では海面変色が確認されていましたが、昨年(2017年)11月を最後に変色水や気泡などの異常は確認されておらず、噴火の発生する可能性は低くなっています。

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