日常から時代問う 牧水賞に穂村さん

第23回若山牧水賞の会見で穂村さんの作品を講評する選考委員=31日午前、県庁講堂

 第23回若山牧水賞に決まった歌人の穂村弘さん(56)=東京都杉並区=は、現代短歌の旗手として幅広く活躍する。第4歌集「水中(すいちゅう)翼船(よくせん)炎上中」(講談社)は、昭和の時代を生きた子どもの視点で振り返り、現代を批評しながら「時間とは何か」を問い掛けた。31日に県庁であった記者発表で、選考委員の伊藤一彦さんらは「時代をうたう中で登場するのは文明。日常の手触りを思い出させる」「意外性と愛唱性があり、巧みに構成された連作」と講評した。

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