「懐メロ」で認知症予防 川崎で体験会

 高齢者に親しんだ音楽を聴いてもらい、脳を活性化して認知症予防につなげてもらう体験会が31日、川崎市川崎区の商業施設で始まった。

 「懐メロ回想法」と名付けられた心理療法の一種で、東京都杉並区のツモリレコードが開発した。会場では、菅原都々子さんの「月がとっても青いから」や石原裕次郎さんの「俺は待ってるぜ」など、往年のヒット曲が流れ、高齢者は「お友達の家で聴いた」「この映画を見た」などとおしゃべりをしたり、歌を口ずさんだりして楽しんだ。

 参加した白浜巳取(みとる)さん(76)は「歌は口腔(こうくう)ケアにいいと聞いていて、ボランティアで歌っている。この方法も地域で紹介できればと思い参加した。楽しかった」と話した。

 懐かしい写真などを使って、昔の経験や思い出を語り合う回想法は、1960年代に米国の精神科医が提唱。レコード会社での勤務経験がある同社の津森修二社長が音楽などを組み合わせた。市や川崎信用金庫なども「高齢者が元気になる面白いメソッドなので川崎発で発信したい」として協力した。

 体験会(午前中)は11月1、3、4日にイトーヨーカドー川崎店(川崎区小田栄)で。7、8、10、11日には同川崎港町店(同区港町)で行われる予定。

「懐メロ回想法」を行う津森社長(左奥)=イトーヨーカドー川崎店

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