海老名市で介護保険料還付漏れ 11年間で59件、47万円超

 海老名市は31日、介護保険加入者が死亡した際に納め過ぎた保険料を遺族に還付する事務処理の一部でミスがあり、約11年間で59件、総額47万6236円の還付漏れがあった、と発表した。内野優市長は同日の定例会見で「ミスがあったことをおわびしたい」と陳謝。歴代担当者の処分を検討する考えも示した。

 還付漏れが判明したのは2006~16年度の期間で、1人当たりの金額が1170円~2万1072円。今年9月に担当者が交代し、還付対象者を抽出したリストに過年度の対象者が複数記載されていた原因を調べたところ、発覚した。

 市は日本年金機構から届く返納通知と呼ばれる書類を基に、担当者が市の還付対象者のリストに手書きで転記していたが、その際に漏れが生じたのが原因という。転記の作業は1人で行っていたといい、11年間で担当者は7人に上った。

 全国的に還付金名目の特殊詐欺が相次ぐ。ミスは10月19日に判明したが、市は「詐欺の材料にならないように」と遺族への連絡を優先。県外で連絡がとれない1件を除き全ての遺族に説明が完了し、今回公表した。全ての遺族に還付する方針。

 市は未還付分の定期的な確認徹底に取り組むなど、再発防止を目指すとしている。

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