災害時の業務継続 拠点病院8割 ノウハウなく

計画策定に苦労 九州行政評価局調査

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 総務省九州管区行政評価局(吉武久局長)は、九州7県の災害拠点病院を対象に、災害時に病院業務を遂行する指針となる業務継続計画(BCP)の策定状況を調査し、結果を公表した。それによると、約8割の病院が「ノウハウを持った職員がいない」と回答し、計画策定に苦慮している現状が浮かび上がった。
 病院のBCPは災害時の職員の連絡態勢や、電源、水などライフラインの確保を盛り込む事例が多い。厚生労働省は東日本大震災を受け、BCPの策定に努めるよう全国の医療機関に通知。2016年の熊本地震を踏まえ、同省は災害拠点病院にBCPの策定を義務付け、19年3月までに策定を終えるよう通知している。
 災害拠点病院は、九州7県で105病院(県内13病院)が指定されている。九州管区行政評価局は、このうち35病院(県内4病院)を抽出し、BCPの策定状況を調べた。病院名は公表していない。
 調査によると、10月25日までに74%の26病院(県内3病院)が策定済み。未策定は9病院(県内1病院)だった。策定に当たり苦労した点は「ノウハウを持った職員がいない」(27病院)が最多。「情報が少ない」(24病院)、「応援協定の締結が難しい」(19病院)が続いた。
 BCP策定のためにインターネットで情報を集めたり、職員が講習会に参加したりして、苦労している病院も多いという。九州管区行政評価局は調査した35病院の中から、他病院のBCP策定の参考になる事例を取りまとめ、九州7県の全災害拠点病院に送付。同局ホームページにも掲載した。同局は「災害拠点病院だけでなく、全ての病院で参考にしてほしい」としている。