「関心持つ人との縁 大切」 デフサッカー女子日本代表監督 久住呂さん(波佐見出身)エール 諫早手話サークル40周年記念大会

 聴覚障害者の暮らしを支える活動に取り組む諫早手話サークル(鶴川恵会長、78人)の創立40周年記念大会が10月28日、諫早市内であった。長崎県出身でデフサッカー(聴覚障害者のサッカー)女子日本代表監督の久住呂幸一さん(44)が記念講演し、4月に施行された市手話言語条例に触れ「上手下手ではなく、手話に関心を持つ人との縁を増やすことが大切」とエールを送った。
 久住呂さんは東彼波佐見町で生まれ、15歳から諫早市で生活。県立ろう学校卒業後に上京、デフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)のサッカー男子日本代表を目指した。2015年から女子日本代表監督を務めている。
 久住呂さんは「女子デフサッカー選手は少なく、上達しないから外すのではなく、選手の底上げと理解者を増やしたい」と現状を説明。「手話サークルの活動も似ていて、手話を楽しみ、続けたいという気持ちが大事」と話した。
 大会には宮本明雄市長ら約120人が出席。鶴川会長はあいさつで「育児や教育環境を次世代の子どもたちに整えてやりたいという(聴覚障害者の)思いを応援することが、これから10年の運動になる」と新たな目標を語った。最後に、同サークルと県ろうあ協会諫早支部の会員が、諫早の郷土芸能「のんのこ節」を披露し、会場を沸かせた。
 同サークルは1978年4月に結成。聴覚障害者と町を歩いて防災マップを作る「となりぐみ探検隊」を2008年から実施。高齢の聴覚障害者の居場所となる「地域活動支援センターひまわり」を12年に開設した。市手話言語条例の制定に向け、約2万3千人の署名を集め施行を後押しした。

「縁あってこそ今」と題して講演する久住呂さん=諫早市宇都町、市健康福祉センター
のんのこ節を披露する諫早手話サークルと県ろうあ協会諫早支部の会員たち

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