ハマと明治の戦争伝える 軍隊手帳など150点 開港資料館で展示

 明治期の戦争と横浜の関係を資料から探る企画展「明治の戦争と横浜-伝わる情報、支える地域-」が3日、横浜開港資料館(横浜市中区)で始まる。横浜市域で暮らした人々と軍隊の関わりを伝える貴重な資料約150点を展示。九州が主戦場となった西南戦争への従軍や輸送拠点の役割を果たした横浜港の様子を知ることができる。来年1月27日まで。

 西南戦争への従軍記録が残る武蔵国久良岐郡松本村(現・同市港南区)出身の金子増五郎の軍隊手帳や、1873年の兵隊の部隊の構成員を示した「編制(へんせい)表」、同時期の兵隊の訓練風景や兵舎内部が分かる冊子「兵隊訓練図帖」も展示される。

 また、都筑郡川和町(現同市都筑区)の豪商・中山恒三郎家が所蔵していたロシアの風景や将軍の肖像などをあしらった日露戦争関連の絵はがきも公開される。中国大陸での戦争の情報が横浜にも伝わってきたことを示しているという。

 同資料館の調査研究員の吉田律人さんは「九州の戦争にも横浜が関わっていたことが資料から読み取れる。初公開の展示も多く、貴重な資料を間近で見てほしい」と呼び掛けている。

 入館料200円など。月曜休館。24日と12月8日には展示関連の講座も開かれる。問い合わせは、同資料館電話045(201)2100。

西南戦争などに関する資料について説明する調査研究員の吉田さん=横浜開港資料館

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