遭難に備え携行を 東丹沢登山詳細図 利用者要望で小型化

 愛好家に好評な登山詳細図シリーズの東丹沢エリアの新版の販売が11月から始まった。ザックの上ぶたに入れやすい文庫本サイズに小型化し、紅葉シーズンを迎えて多発する遭難に備えて携行を呼び掛けている。

 同シリーズは、2011年から登山家の守屋二郎さん(51)=東京都武蔵野市=と、父親で日本勤労者山岳連盟顧問の益男さん(82)=岡山市=が、ボランティアの協力を得て首都圏近郊の山域などを対象に作成している。主要登山道のほか、「道迷い」防止を兼ねて道標未設置のバリエーションルートも網羅しているのが特徴。

 東丹沢エリアの詳細図は12年の初版以降、今回で3度目の改訂となる。利用者の要望を受け、従来の縦3つ折りから同4つ折りにしてコンパクト化。コース解説欄の配置を見直し、厚木市や愛川町の人気の低山や小田急線沿線の登山口になる駅も記載した。

 今回、18年1~8月、27人のボランティアが参加して再踏査を大規模に実施。新版では前回より10コース多い計130コースを紹介している。

 守屋二郎さんは「登山者が多い表丹沢では森林整備用の作業道ができ、本来のコースが分かりにくくなっていた場所もあった。不測の事故に備えて地元自治体が設置する緊急時位置確認表示板もできる限り掲載したので活用してほしい」と話している。

 文庫本サイズで縮尺は1万6500分の1。吉備人出版から900円(税別)で販売。主要書店や登山用品店で扱っている。問い合わせは、吉備人出版・東京出張所電話0422(38)7902。

新版を手にする守屋二郎さん

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