未払い残業代、支払いを 二宮町

 二宮町が30年以上にわたって町職員に対し時間外労働手当を支払っていなかった問題で、全国の自治体職員らでつくる日本自治体労働組合総連合県本部(神奈川自治労連)の高橋輝雄委員長らが同町役場を訪れ、未払い分の支払いを求めるなどした申し入れ書を町幹部に手渡した。

 問題を巡っては、9月に町が年間240時間を超えた分の時間外手当を支払っていなかったことが発覚。過去2年の未払い分計約3990万円分を支払うことを決めている。申し入れ書では、2016年以前の未払い分について支払うよう要請するとともに、職員の人員配置など労働環境の改善も求めた。

 町側は「全職員に対して聞き取り調査をし実態解明を進めている」とし、管理職の研修や非常勤職員の増員で時間外労働削減に向けた取り組みを続けていると説明。高橋委員長は「非常勤職員が必要ということはそもそも人員の定数に問題がある。官製ワーキングプアを生み出すようなことになったら本末転倒だ」と指摘した。

残業代未払いで・自治労連が要望

© 株式会社神奈川新聞社