「サンドーラ」と呼ばれる砂鬼たちが、住民や家々に砂を投げ付けながら地域を練り歩く国選択無形民俗文化財の奇祭「大宝の砂打(ずなう)ち」が4日、長崎県五島市玉之浦町大宝地区であり、集落には悲鳴や泣き声、笑い声が入り交じった。
同地区の言代主(ことしろぬし)神社で、豊作豊漁や無病息災を祈願する秋祭りの一環。砂を打ち付けるのは、厄災払いや疫病退散の意味が込められているという。
笛と太鼓の音が響く中、獅子やてんぐの他、くわやきね、魚などを持った住民約30人が行列をなして集落を巡り、先々で農作業やきねをつく所作を披露した。
編んだわらをかぶり顔や体に墨を塗ったサンドーラは行列から抜け出し、かごの中の砂を沿道のお年寄りに投げ付けたり、逃げ回る子どもを捕まえて頭から大量の砂を浴びせたりしていた。