ハマ弁PRに先生を“動員” 横浜市教委、公費で試食会

 横浜市教育委員会が、市立中学校の希望者向け配達弁当「ハマ弁」の“良さ”を教職員から保護者にPRするよう、全校に依頼していたことが5日、分かった。そのために各校で試食会を開くとし、教職員は必ず試食するよう求めた。市教委は喫食率が低迷し続けるハマ弁への理解を深めるためと説明するが、喫食率を向上させるために教職員に行動を強いるかのような依頼に、教職員の一部などからは批判の声が上がっている。

 神奈川新聞社は、中学校長と義務教育学校(後期課程)長宛てに10月31日付で送られた依頼文書を入手した。

 その中で市教委は、喫食率が9月で2・3%と低迷する現状や、当日注文の試行など改善に取り組んでいることを説明。その上で「先生方からのアナウンス効果は非常に大きなものだと考えております」とし、保護者説明会などでハマ弁の良さを伝えるよう依頼した。「栄養バランスが整っていて、成長期の中学生にとっては望ましい内容になっている」「リニューアルしておいしくなった」など、PRするポイントも具体的に記した。

 試食会は各校にハマ弁を配送する形式を取るとし、学校ごとに実施日を決めるよう指示。常勤の教職員はアレルギーなど特段の事情がない限り、「必ずご試食いただくようにお願いいたします」と参加を事実上、強制した。試食会を研修の一環と定め、費用は研修費用として健康教育課で負担するとした。

 神奈川新聞社の取材に対し、市教委は「教職員にハマ弁を理解してもらい、生徒や保護者への啓発につながれば」と説明。対象は教職員約6千人で、費用は約234万円を見込んでいる。

 これに対し、ある教職員は「市教委による暴挙だ」と批判。またある市議は「喫食率向上だけを狙った愚策」と切り捨てた。

 ハマ弁は2016年7月に市内12校で導入。翌17年1月には全市へ拡大されたが、当初から喫食率が低迷。市教委は18年度、値下げやメニュー刷新などの改善に取り組んでいるが、年度目標の10%に遠く及んでいない。

 保護者らの要望に応える形で、8月には一部の中学校で当日注文を試行したが、市教委が注文数を予測して事前に発注した結果、大量に廃棄されている実態が明らかになった。

「ハマ弁」献立の一例(横浜市教委提供)

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