第5回「リハビリはもう大変! 脳卒中からの生還② 」

あうあうあう…〜脳卒中で倒れてから早1ヶ月プラス4日、どうにか生きてます...というより、いわゆる1つの"驚異的な回復力"というやつを発揮して、かなり元気にやってます。

1週間前に、私鉄沿線の古〜い武蔵野地区の小さな病院から、都心ど真ん中のリハビリ病院へ転院しました。

ここは最先端のリハビリ医療をやってるとこで、巨人の長嶋監督やオシムや、つい最近まで滝川クリステルの親戚の滝川英治さんが入院してリハビリをしてたのでも知られている。

当然、自分もリハビリ頑張ってます。というか、毎日朝からずっと、リハビリばっかりやってる気がする。レッグプレスのマシーンで、汗が出るまで脚を鍛えたり、ハーネスで吊るされながらトレッドミル(ランニングマシーン)を歩いたり。ちなみにこのトレッドミルは、長嶋監督が今も汗を流してるマシーンなんだって。自分も、今もうヘトヘトですよ。...と、運動はまあまあできるのだが、問題は頭脳だねあうあうあ…

ご飯はおいしい

こないだーー 絵を見て、それが何かを答えるという、脳の検査やったんだけど風船? ゴンドラ? バルーン? ちがうな、なんだっけなこれは? と、絵を見ても言葉が出てこないわけ。で、「答えは"気球=ききゅう"です!」と気球の絵をじっと見るんだけど...えーっ、そんな単語、わたくし生まれてから一度も聞いたことないんですけど!...感。さらに、絵を見てそれが何かわからないのが「鳥居」と「門松」で、トリイ...? カドマツ...? ワタクシ、ソンナコトバ、キイタコト無いだから...。と、言われてみるとそんな気もしてくるけど、そんな言葉でしたっけ?

ほんとマジで不思議で、でもなんか和式の単語がわからないという特徴が。あうあうあ…

サングラスは病室だけ

でね、わたくしあの、一昨日に本を出しましたーー。

『ヴァイナル文学選書』という新しい文学シリーズがそれで、新宿をテーマに4人の作家で、それぞれの掌編小説を書いて競作してる。一応わたくし、本を書くのが仕事なんですね。

で、昨日の夜、MC漢さん、海猫沢めろん先生、菊地成孔さんと、そしてわたくしという、今回小説を書いた4人で雑誌の取材を受けたり、ドミューンの番組に出たんだけどーーなんだけど、入院中はもう大変! 一応、外泊許可もらって杖ついて現場に行ったはいいものの、いざ対談の場になったら、言葉が全然出てこないわけ! というか頭が全然まわらない。

新宿紀伊國屋書店店頭で売ってます!

映像を見るとわたくし、MC漢さんや成孔さんが喋ってるあいだにーー ニヤリと笑ってみたり、意味ありげにうなずいてみたりしてるけど、ほんとは頭ん中ぽかーん?? 状態で、ここはどこ、わたしはだれ? こりゃ参っちゃったな〜、人生ニ疲レマシタ。

今度出る『サイゾー』て雑誌にも、4人で出てるんで見てください。そこも頭ん中真っ白で出てますから。

と、そんな感じでーー

今日は、朝早くに病院へ戻って朝ごはん食べてからずっとリハビリばっかり。もうすぐ「言語」の時間がはじまる。準備しないと。

病気だからって、寝て休んでいたい人はこの病院にはいなくていいです。この病院は、一生懸命リハビリする人の病院ですーーという感じで、土曜も日曜も、そして祝日も祭日も関係なく、毎日毎日リハビリは続く...。でもそれって生きるってことだよね。

と、そこへ今朝くらいに『ルーフトップ』からメールがあって。

昨日の夜のドミューンはどうでしたか? と、病状を心配してくれるお見舞いな内容をありがたく読むと、「明日までに原稿を書けますか?」ということだった。... 鬼ッ! アイコちゃんの鬼♡

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石丸元章/いしまるげんしょう

ライター。1965年生まれ。著書に、『SPEED』 『平壌ハイ』『覚醒剤と妄想』、翻訳に『ヘルズエンジェルズ』など。近著に『霊園にて-bpm198』(東京キララ社)。プラスワンやネイキッド、ロックカフェロフト、阿佐ヶ谷などいろいろイベント出てます~。

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