若年性認知症の支援強化 長崎県、初の実態調査へ

 長崎県は本年度、働き盛りの年代で発症し、仕事面などに影響が出る若年性認知症の人への支援を強化した。専門のコーディネーターを長崎市内に配置し、医療や福祉、就労などの専門機関につないでいる。本年度中に実態調査を初めて実施する予定で、効果的な施策で若年性の当事者の悩みを解消したい考え。

 若年性認知症は、65歳未満で発症し、一般的に40~50代の男性に多い。記憶力が徐々に低下し、仕事でミスしたり約束を忘れたりと日常生活に支障が出てくる。発症者の多くが現役世代のため、高齢者に比べて仕事や家庭に与える影響も大きい。

 厚生労働省の2009年の調べによると、若年性の人は県内に300~400人いると推計される。一方、「認知症は老年期に発症する」との先入観が強く、異変があっても、うつ状態などと思い込んで受診が遅れることもあるという。

 長崎県すこやか長寿財団が開所した「認知症サポートセンター」にコーディネーターとして看護師を配置。1人が7月から相談を受けている。コーディネーターと医療機関、ハローワークなどとの連携を今後さらに強化し、適正な支援につなげる。このほか実態調査を通して若年性の人が何に困り、どういう支援を求めているかを把握していく。

 「早期に治療することで進行を遅らせることができる。体調に不安を感じたら相談してほしい」と長崎県長寿社会課。コーディネーターへの相談は(電095・847・0473)で午前10時~午後3時。来所相談は予約制。

若年性認知症支援コーディネーターのイメージ

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