スバルの屋台骨を支える人気車種
1997年に初代が登場し、5代目に当たる新型フォレスターは、7月に2.5リッターNAエンジンモデルが先行して発売され、モデル初となるハイブリッド「e-BOXER」搭載モデルは9月に発売されました。
日本でスバルと言えばレガシィから始まるステーションワゴンや、WRCの印象が強いインプレッサの存在感が際立っており、クロスオーバーSUVのフォレスターは少々影の薄い存在かもしれません。
ところが、世界規模で見た場合、フォレスターの販売台数はスバル全体の1/3を占めるほどで、特に北米での人気は目を見張るものがあります。
広く低くなって安定感がアップ
先代(4代目)と比べてあまり代わり映えしないという意見もありますが、実際には見た目の安定感と落ち着きが増したスタイリングに進化。
実際のサイズを比較すると、全長は15~20mm長くなり全幅は20mm拡大。さらにホイールベースは30mm伸ばされたことで、先代よりもワイド&ローな印象になっています。
SUVらしい力強さを加えたエクステリア
新型フォレスターのデザインは、実用性と見た目の良さを兼ね備えた「モダンキュービックフォルム」と言う考え方を盛り込み、スバルのデザイン哲学である「ダイナミック×ソリッド」を全面採用。
基本的な方向性はキープコンセプトでありながら、サイドのキャラクターラインやボリューミーなフェンダー形状、強調されたフロントフェイスのプレスラインなどの影響で、SUVらしい筋肉質でたくましさを感じるデザインです。
アクティブからラグジュアリーまで揃えたインテリア
インテリアは新型インプレッサと同じデザインを採用しますが、適度にSUVらしい男っぽさを残しながら、よりアクティブかつ上質で大人びた印象を受けます。
もっともアクティブなキャラクターである「X-BREAK」には、撥水性のある生地を採用し、レッドオレンジのステッチがSUVらしさを演出。
一方、ラグジュアリー感の強い「Premium」や、e-BOXERを搭載した「Advance」には、標準で黒をベースに落ち着いた印象の生地が使われ、シルバーのステッチが施されます。
また、メーカーオプションで、シルバーステッチの入った黒またはブラウンの本革シートも選択可能(Premiumは黒のみ)です。
パワートレインはよりマイルドなものに進化
新型フォレスターに用意されるパワートレインは、2.5リッターのNAと2.0リッターNAエンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」の2種類で、組み合わされるトランスミッションはCVTのリニアトロニックのみとなります。
ターボとMTの設定がないということが、新型フォレスターの大きな話題の一つにもなりました。これまでターボエンジンの速いSUVという印象があったフォレスターですが、4代目に至っては、ターボモデルの売れ行きはフォレスター全体の2割程度。さらにMTに至ってはさらに販売比率が低くなっていたとのことなので、ターボとMTの消滅は自然な流れなのかもしれません。
プラスαの余裕を持った2.5リッター直噴エンジン
最高出力184ps、最大トルク24.4kgmを発生し、数値的には極平凡なものになっていますが、実用域のトルクアップとレスポンスのいいリニアトロニックの組み合わせにより、スペック以上の力強さと実用域のドライバビリティが向上しています。
より自然なトルク特性が特長のe-BOXER
2.0リッターのNAエンジンに組み合わされるモーターは10ps/65Nmというスペックで、フルハイブリッドのモデルと比較すると少々非力にも思えますが、モーターはあくまでエンジンの補完的な位置づけに過ぎません。
また、いかにもハイブリッドらしい演出をせず、自然でなめらかな味付けがなされていることが大きな特長です。
先進の安全装備はスバルが持つもう一つのお家芸
日本の自動車メーカーの中で、いち早くステレオカメラを用いた安全装備を市販化(1999年5月発売:ランカスター ADA)したスバルらしく、新型フォレスターにも最新の安全装備が備わっています。
全車に標準装備される「アイサイトツーリングアシスト」は、緊急時の自動ブレーキはもちろん、0km/h〜約120km/hの幅広い車速域で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシストし、運転負荷を大幅に軽減してくれます。