【平成の長崎】アミュプラザ長崎正式オープン 8万4000人の人出 平成12(2000)年

 大型複合商業施設のJR新長崎駅ビル「アミュプラザ長崎」(長崎市尾上町)が2000年9月21日、正式開業した。駅前のかもめ広場やこれに通じる高架橋の広場には、開店時間の午前10時までに約2000人の列ができた。駅に到着する列車内には、通勤の会社員らに交じって買い物客の主婦らも多かった。アミュプラザによると、開業初日の来客数は84000人に上った。
 行列の先頭は、20日夕に京都を車で出発し8時間かけて長崎に到着したという京都市の会社員、嬉野俊介さん(27)と同、大川秀人さん(27)。「ステューシー(若者に人気の衣料品ブランド)が目当て。限定品なのでここでしか買えない。買った後はとんぼ返りです」と話した。
 かもめ広場であった開業式には、小寺一彦長崎ターミナルビル社長らJR関係者や、地元の武分利男・西坂地区連合自治会長、映画「長崎ぶらぶら節」の脚本を手掛けた市川森一氏らが出席。「長崎観光が冷え込んでいる中、アミュプラザ長崎が情報発信基地となり、観光の起爆剤となるよう期待したい」などとあいさつ。この後、テープカットし、長崎の新たな名所の誕生を祝った。
 かもめ広場では竜踊りや雲仙小浜太鼓の勇壮なアトラクションなどが繰り広げられ、買い物客らの目を楽しませた。
 アミュプラザ2階の子供服の専門店には、買い物客が50人ほど列をつくり混雑した。子供連れで来た長崎市畝刈町の主婦、中村紀代子さん(32)は「お目当ての子供服が買えて一安心。店内は明るくて品ぞろえも豊富」。
 JRの列車で来た福岡県の男性会社員(23)は「衣料品が充実していて福岡の百貨店と比べても見劣りしない。いろんな店があるので列車の待ち時間も有効に使えそう」と感想。一方、「店内はきれいで気持ちいいが、浜町のほうがなじみが深く買い物しやすい」(年配の男性客)という声も。
 4階の複合映画館「ユナイテッド・シネマ」も開店早々から多くの映画ファンでにぎわった。(平成12年9月22日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

大勢の買い物客でにぎわう施設内=長崎市尾上町、アミュプラザ長崎

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