アウディ自動運転カップ2018開催|130万円の賞金と未来のキャリアをかけ、8チームが対戦

アウディ自動運転カップ2018:優勝を目指して8チームが対戦

アウディ自動運転カップ2018:優勝を目指して8チームが対戦

2018年11月12日~14日、ドイツのインゴルシュタットにあるアウディ本社にて、アウディ自動運転カップ2018(AADC: Audi Autonomous Driving Cup 2018)が開催される。これは若者の才能を育成するために毎年行われているイベントで、今年で4回目を迎える。今年は8つの大学のチームが決勝に進出する。

参加するのは主にロボット工学、データサイエンス、ソフトウェアアーキテクチャー、人工知能(AI)といったインフォメーションテクノロジー分野の学生。

上位成績を収めたチームには1位:1万ユーロ、2位:5,000ユーロ、3位:1,000ユーロ(日本円換算でそれぞれ130万円、65万円、13万円。1ユーロ=130円、2018年11月8日時点の為替レートによる)の賞金が用意されるほか、アウディの未来の社員候補として、担当者との面接やインターンシップへの参加といったインセンティブも用意される。

1/8スケールのQ2モデルカーが交差点や道路標識、障害物に挑む

アウディ自動運転カップ2018:優勝を目指して8チームが対戦

アウディ自動運転カップの主役は、ブルーに塗装されたアウディ Q2の1/8スケールモデル。小さなボディには、実際の車両と同様にフロントカメラ、リヤカメラ、レーザースキャナー、超音波センサーが搭載されている。

各大学のチームは、提供された車両に独自のプログラムを施し、コースを安全に走行できるようにする。この車両は、設置されたコースに沿って走行しながら障害物を自動的に回避、交差点を正しく通過、さらに道路標識を認識し、適切な車間距離を保って先行車を追走する必要がある。

またコース中には高架路も用意されており、ランプを障害物ではなく、傾斜のある走行レーンとして適切に認識する必要がある。これは人の目では容易だが、センサーを介して認知・判断を行う自動運転車ならではの難しさと言える。

緊急車両が突如出現、認識や回避の判断が求められる場面も

新しいテクノロジーの開発を反映するために、コンペのシナリオは毎年変更され、難易度が高くなっている。

今年はコース内に緊急車両が突然現れるというシナリオが用意されており、参加車両には、緊急車両を機械学習によって識別した上で、道路上であれば路肩に寄って停車、交差点であれば道を譲るといった、状況に応じた判断が求められる。

ノミネートから最終予選まで

今回のイベントでは英国、イタリア、オーストリアを含む10の大学がノミネートされ、2018年6月に行われたローンチイベントで、基本ソフトウェアと2台のモデルカーが提供された。さらに、2018年10月のテストイベントでは新たに5つのチームも参加。

その結果、下記8チームが上位の成績を残し、決勝に進出することが決定している。

■AlpaKa:FZIインフォメーションテクノロジー研究センター=カールスルーエ

■Burning Wheels:デッゲンドルフ工科大学

■Cariosity:ウェーデル応用科学大学

■CAR-thage:ブレーメン大学

■FAUtonomous:フリードリヒアレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク

■frAIsers:アルベルトルートヴィヒ大学フライブルク

■OptILmDriveX:イルメナウ工科大学

■TACO:オッフェンブルク応用科学大学

優勝への3つのステップ

アウディ自動運転カップ2018の優勝者は、3つのステップで決定する。

まずはモデルカーによる自動運転の課題のクリア。続いて、技術開発についての科学的なプレゼンテーション。そして3番目は、自由なテーマによる参加となる。ここでは各チームが想像力を発揮して、自分たちで選択した課題をデモカーで実演。今年は人工知能(AI)の活用に重点が置かれている。

これら3つのステップで、最も多くのポイントを獲得したチームが優勝となる。

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