トップアーティスト同士の対談を通じて、学生に新たな気付きやひらめきを促すイベント「楽演(がくえん)祭」が8日、川崎市麻生区の昭和音楽大で開かれた。ロックバンド「ウルフルズ」のトータス松本さんと、ロックバンド「レミオロメン」の藤巻亮太さんが教壇に立ち、学生ら約250人が真剣な表情で耳を傾けた。
イベントは、出版・映像会社KADOKAWAやコンサートプロモーターズ協会の協力で実現した。「音楽と個性」をテーマに対談したトータスさんと藤巻さんはそれぞれ、自らの生い立ちやバンドを組んだいきさつ、ソロ活動に至った経緯などを笑い話を交えながら展開した。
藤巻さんは代表曲の「粉雪」や「3月9日」について、「(特別何かを狙ったわけではなく)自然に出来上がったものだった」と回顧。似たような曲が期待されがちなことに、「狙って楽曲を書こうとすると技術だけになってしまう」と葛藤していた時期があったことを明かした。
今後、業界で必要な人材像について、トータスさんは「ばかげていても、ビジョン、イメージ、アイデアを持っている人が良い。その先に何があるんだと話が弾むから」と語った。
サックスを学ぶ同大1年の伊藤風薫さん(19)は「偶然メンバーと出会ったり短期間で成功したりと、人生は何が起きるか分からないと感じた。私も出会いを大切にしていきたい」と刺激を受けていた。
トータスさんと藤巻さんは一般に公開した夜のライブでも、アコースティックギターで聴衆を魅了した。