変わり続ける公園「Ginza Sony Park」に『どこにもない待合室』誕生

中央区銀座の「Ginza Sony Park」で11月10日(土)から12月16日(日)まで、実験的プログラム「#003 The Waiting room(ザ・ウェイティングルーム)」が行われている(入場無料)。それを記念したトークセッションが9日、同所で行われた。登壇者は、THE EUGENE Studio共同創業者・Eugene Kangawa(かんがわゆうじん)氏、ソニー企業株式会社代表取締役社長・チーフブランディングオフィサー永野大輔氏、モデレーターとして美術手帖を手がける編集者・牧信太郎氏。

「Ginza Sony Park」は、2017年3月末に営業終了した銀座ソニービルをリニューアルし2018年8月9日に開園。「変わり続ける公園」として20年秋までの期間限定で、地上から 地下にかけて意図的にデザインされた余白を使った実験的なイベントや、個性豊かなパートナーとともに驚き遊び心を感じられるプログラムを展開していくという。

地下鉄・銀座駅のコンコースとつながる地下2階フロアでは、過去には、地下ローラースケート場やソニーデザインによる実験的プログラムを提案してきたが、今回の「The Waiting room」は初の外部アーティストを迎えたプログラムだという。

永野氏は外部アーティストとの初コラボについて「かんがわさんご自身がアーティストでありながらアートを過信していない」点を評価。「我々に非常に向き合ってくれるし、この人とだったら面白いことになるんじゃないか」と 理由を説明。「どこにもない待合室」が銀座にできたという。

牧氏は「社会に対してアクチュアルに問いかけるためには美術館が必要なのか、こういったパブリックスペースが必要なのかを考えられて合わせてきている」と、かんがわ氏が 従来のアーティスト像とは違う点を強調した。

「無機質といえば無機質だし、かなりトリッキーな空間だった」と最初の感想を語るかんがわ氏。旧銀座ソニービルのむきだしのコンクリートが残る空間に、ふだん彼らが使用している家具や集めたオブジェ、床材などプライベートな要素を配置して「パブリックとプライベートの境界を曖昧にした空間」を作り出した。なかでも16年から作っている作品のひとつ「White Painting(ホワイト・ペインティング)」を挙げ、「(白い壁に)何もないように見えるんですが、いろんな国の いろんなところからいろんな人に接吻をしてもらってる」と作品の詳細を紹介。最後に「いろいろな見方ができる場所。訪れてもらって、いろんな『自分の場所』にしてほしい」とコメントした。

※写真並び左から牧氏、かんがわ氏、永野氏

© 株式会社ジェイプレス社