長崎県内ではJR長崎本線・本川内駅(西彼長与町)に唯一残っていた「スイッチバック」方式が8日までで廃止となった。今や全国でも珍しい風景となっていただけに、鉄道ファンが見納めに訪れていた。
スイッチバックは主に急こう配の線路に停車場を設けるために導入。本線路から分岐して設けた行き止まり線路に進み、逆行して平らな場所に設けたプラットホームに入る。蒸気機関車やパワーが劣る旧式の気動車などには不可欠な仕組みだった。
しかし、電化や車両性能の向上に伴い、JR九州管内では本川内駅のほか、豊肥本線の立野駅(熊本県)、肥薩線の大畑駅(同)、真幸駅(宮崎県)が残るだけになっていた。
本川内駅では23日のダイヤ改正を前に、本線沿いにホームを新設。スイッチバックせずに停車、通過ができるようにした。8日は旧ホームを使っての最後の運行で、上り・下り合わせ35本が停車・通過した。
駅前で列車が前進、後進する様子を撮影していた西彼多良見町の堀訓さん(27)は「子どものころから見慣れていた光景だけに、なくなるのは寂しい」と話した。
9日から列車は新ホームに直接停車する。JR九州長崎支社では同日から「さよならスイッチバック」オレンジカード(千円)を千枚限定で販売する。
(平成14年3月9日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。
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