ヤクルト愛炸裂のギター番長・古市コータロー氏 自身が選ぶ歴代NO1監督は…

古市コータロー氏(左)とオカモト“MOBY”タクヤ氏が野球について熱く語った【写真:NBNL】

西武と日本一を争った1992年、93年の黄金期

 ソフトバンクが2年連続日本シリーズ制覇を果たし、幕を閉じた今季プロ野球。セ・リーグでは球団史上初となるリーグV3達成の広島が安定感ある強さを見せつけたが、昨季の球団ワースト96敗から2位へ大きく躍進したヤクルトの快進撃もペナントレースを盛り上げた。

 そんなヤクルトを1970年代から応援し続ける筋金入りのファンがいる。キャリア30年を超えるバンド「ザ・コレクターズ」のギタリスト、古市コータロー氏だ。第2回は、日本を代表するモッズバンドのギター番長が、愛するヤクルトの黄金時代、1992年、93年の日本シリーズについて振り返る。

 お相手を務めたのは、おなじみFull-Countプレゼンツ「NO BASEBALL, NO LIFE.」(FMおだわら)でメインMCを務めるオカモト“MOBY”タクヤ(SCOOBIE DO)だ。

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MOBY「70年代からずっとスワローズを応援してきたコータローさんが、92年、93年は毎日のように神宮球場に通っていたと前にお話を聞かせてもらいましたけど、92年はリーグ優勝、そして93年に日本一と球団の黄金時代ですよね。やっぱりコータローさんの中でも一番思い出に残る時代ですか?」

古市「そうだね。小学校の時に好きだった若松(勉)よりも思い入れがありますよ。投手のローテーションも頭の中に入っていたし、僕なりに(脳内で)監督業をやってましたから(笑)」

MOBY「その気持ち、よくわかります(笑)」

古市「荒木大輔が復活登板の時は神宮球場で見てましたよ。今、思い出しても、興奮して息が上がって死にそうになる瞬間だよね。92年は八重樫(幸雄)、杉浦(亨)、角(富士夫)ね。いぶし銀の角選手が最後ハウエルの代わりに三塁の守備に就いた時は、もう興奮したな。日本シリーズは、これまた黄金時代の西武ライオンズですよ。秋山(幸二)、清原(和博)、デストラーデ。潮崎(哲也)もいたよね。92年は第7戦までいきましたね(笑)」

MOBY「そうですよ。この時の日本シリーズは歴代最高とも言われていますから。第1戦がヤクルトは岡林(洋一)、西武は渡辺(久信)」

古市「岡林はシーズン通して投げすぎたよね。ちょっと気の毒だった」

MOBY「第2戦がまたいいんですよ。西武が2-0で勝つんですが、ピッチャーは郭(泰源)と荒木」

古市「いいねえ。荒木!」

MOBY「第3戦は石井(一久)対石井(丈裕)でした」

古市「この頃の石井一久はすごく良かったね」

MOBY「第4戦も岡林が投げて、第5戦はヤクルトが7-6(で勝利)。先発は高野(光)。当時の抑え、伊東昭光が勝ち投手になったんですね」

古市「そうそう! 伊東昭光も好きだったよ(笑)」

MOBY「第6戦は秦(真司)のホームランでサヨナラ勝ちでした」

古市「覚えてる。あれは良かったよねえ。割と短期決戦だから、持ってる男っていうのが絶対現れるんだよね。ラッキーボーイみたいな。そういうのはあるよね」

古市コータロー氏がギターを担当する「ザ・コレクターズ」

1993年日本シリーズの主役は川崎

MOBY「第7戦は結局2-1で西武。石井丈と岡林、どっちも完投してますね。そして、翌年93年の第1戦は工藤(公康)と荒木ですよ」

古市「もうそうやって振り返るだけでヤバイよね(笑)」

MOBY「はい(笑)。ちなみに第3戦の始球式は中井美穂さん。後の奥さんが旦那さん(古田敦也)に投げてますから(笑)。ちなみに渡辺久信はこの試合も勝ち投手になって、86年の第6戦から続く日本シリーズの連勝を6に伸ばしました」

古市「ナベQすごかったよね!」

MOBY「第6戦は川崎(憲次郎)と石井(丈裕)で、1-0で川崎が勝ちました」

古市「この日本シリーズ、本当は荒木が主役だと思ったんだけど、終わってみたら川崎だったね。優勝決まった翌日の新聞なんか全部買ったよね」

MOBY「実はそんな時期に、ザ・コレクターズがレコーディングしていたのが、代表曲『世界を止めて』だったんですよね?」

古市「とてもじゃないけどレコーディングどころじゃなかったよ(笑)。わかるでしょ?」

MOBY「はい、わかります(笑)」

古市「レコーディングって空き時間が多いんですよ。当時はまだアナログ作業だったから、その準備とか何かの作業中で『これは時間かかかるから今なら行ける!』と思って、『ちょっと弁当買ってくるわ』って赤坂のスタジオを抜け出して、バイクで球場まで行って試合を見てました(笑)。楽しかったなあ。高津(臣吾)が出てくると安心したよね」

MOBY「ちなみにコータローさんは歴代の監督で誰が好きでした?」

古市「広岡監督は好きでしたね」

MOBY「意外ですね。どちらかと言うと、管理野球の代表みたいなイメージがありましたけど」

古市「そこが子供から見るとかっこよかったですね。クールな感じがね。あと関根監督も好きでしたね」

MOBY「でも、やっぱり野村監督ですか?」

古市「そうね。野村監督は、僕が子供の頃は南海のすごい人でしたから。当時、僕のエフェクターボードにノムさんの写真を貼ってた」

MOBY「アハハハ(笑)」

古市「絶対ギタープレイを間違えないでしょ?」

THE COLLECTORS(ザ・コレクターズ)
1986年初頭、THE WHOやPINK FLOYDといったブリティッシュ・ビート・ロックやブリティッシュ・サイケ・ロックに影響を受けた加藤ひさし(Vo.)と古市コータロー(G.)が中心となって結成。翌87年11月にアルバム『僕はコレクター』でメジャーデビュー。2017年になり、サポートとして参加していたドラマー、古沢“cozi”岳之がメンバーとして正式加入。新生ザ・コレクターズとしてメジャー・デビュー30周年を迎え、2017年3月1日に日本武道館公演を開催した。2018年1月より、12か月連続のマンスリーライブを渋谷クラブクアトロで開催中で全公演チケットは即日完売。11月7日には23枚目となるアルバム『YOUNG MAN ROCK』が発売された。初のドキュメンタリー映画『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』が11/23から新宿ピカデリーほかにて公開される。2019年1月より久々の全国ツアー『THE COLLECTORS TOUR 2019 “YOUNG MAN ROCK”』の開催も決定している。(福嶋剛 / Tsuyoshi Fukushima)

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