来年は女子W杯!2018年ラストマッチで注目すべき「5人のなでしこ」

11日に、今年最後の試合となるノルウェー戦を控えた「なでしこジャパン」。

4月の女子アジアカップで優勝を収め来年フランスで行われる女子W杯の出場権も獲得すると、8月のアジア大会でも見事金メダル。今年は飛躍の一年となった。

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さらに、ヤングなでしこが8月にフランスで行われたU-20女子W杯で優勝。2011年のなでしこジャパン、2014年のリトルなでしこ(U-17女子代表)とあわせて女子では史上初の「三世代でのワールドカップ優勝国」となったのだ。アメリカやドイツといった女子サッカー強豪国でも成し遂げていないという点が、この記録の偉大さを物語っている。

アジアを制したメンバーに世界一のU-20世代が加わった今回のなでしこジャパン。なでしこリーグで活躍した選手から海外組の選手まで、是非とも注目して欲しい5人をピックアップしてみた。

山下杏也加(日テレ・ベレーザ)

アジアカップ、アジア大会いずれも決勝戦でゴールマウスに立ち、完封勝利で優勝に貢献したなでしこの正GK。特にアジアカップ決勝のオーストラリア戦では彼女のPKストップが試合の流れを引き寄せたと言っても過言ではないだろう。

所属のベレーザでもなでしこリーグ4連覇に貢献し、自身も4年連続ベストイレブンに選出と安定感抜群の彼女だが、GKに転向したのは村田女子高校時代という意外な経歴の持ち主でもある。

GK転向前はFWとしてプレーしていたのだが、これがキックの技術にも長けたGKという大きな長所を手にするきっかけになったとも言える。

熊谷紗希(オリンピック・リヨン)

W杯優勝メンバーでもあり、ヨーロッパで無敵を誇るリヨンでもチームの中心としてプレーする、日本が誇る「ワールドクラス」の選手。

浦和レッズレディース時代から最終ラインでも中盤でもプレーできる万能選手だったが、その後なでしこジャパンではCBとして、リヨンではMFとして定着。なでしこジャパンでは昨年から主将も務めており、リヨンではPKキッカーという重責も任されている。

今年はUEFA女子CLの大会ベストイレブンに選出されると、FIFA最優秀選手賞において女子最優秀選手賞の候補10人にもノミネート

さらに先月発表された女子バロンドールの候補15人にもノミネートと、その活躍が世界でも高く評価される一年となった。

南萌華(浦和レッズレディース)

今年8月、ヤングなでしこの主将として臨んだU-20女子W杯で見事優勝。トロフィーとメダルを日本に持ち帰ると、所属のレッズレディースでもスタメンに定着。勢いそのままに今回なでしこジャパン初招集となった急成長中の19歳。

なでしこリーグにコンスタントに出場するようになったのが9月以降ということもありトップレベルの試合経験がまだ少ないのは否めないが、「これからの選手」と考えればその部分も伸びしろとして見てみたい。

同じCBのポジションには熊谷紗希という最高のお手本がいる。ディフェンスリーダーでもある彼女の隣で共にプレーして学ぶことができれば更に大きな飛躍が待っていることだろう。

猶本光(SCフライブルク)

浦和レッズレディースで司令塔としての地位を確立していた彼女だが、7月に女子ブンデスリーガのSCフライブルクに電撃移籍。現在はドイツ語を学びながらヨーロッパのサッカーに適応すべく奮闘中だ。

所属のフライブルクは昨季の女子ブンデスで3位と躍進を遂げたチーム。ヴォルフスブルクとバイエルンという女子の2強を追う存在だったが、今季はここまで12チーム中7位という状況。その中で猶本も徐々にリーグ戦での出場時間を増やしており、ここから自身もチームも浮上を目指したいところだ。

なでしこジャパンの中盤では、大黒柱の阪口夢穂が膝の負傷により長期離脱中。司令塔としてチームの中心になって牽引する役回りにも期待したい。

田中美南(日テレ・ベレーザ)

なでしこリーグでは3年連続の得点王。さらに今季はベストイレブンとMVPもあわせて受賞と、個人タイトル三冠達成という最高の結果を残したベレーザのエースストライカー。

今年、なでしこジャパンでは8ゴールを決めているが、これはチーム内最多の数字でもある。代表通算14ゴールという数字とあわせて考えると、今年だけで8ゴールという結果は持ち前の嗅覚と決定力に磨きがかかった成長の証と言えるだろう。

最近のなでしこジャパンでは岩渕真奈、横山久美とFWのポジションを競い合う構図となっているが、リーグでの好調ぶりを代表でも発揮してゴールを量産できれば、来年の女子W杯でエースとして活躍する姿が見られることだろう。

鳥取市営サッカー場バードスタジアムで行われる、なでしこジャパン対ノルウェー女子代表の試合は11日(日)14時キックオフとなっている。

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