今が食べごろ!欧州各国の「秋の味覚」はどんなものがあるの?

「日本の秋の味覚」というと、何を思い浮かべますか? 海の幸ならサンマ、フルーツなら梨やブドウ、その他にもサツマイモなどが美味しい季節ですよね。ではヨーロッパでは、どんな食べ物が「秋の味覚」なのでしょうか。代表的なものをご紹介します。

【イタリア】トスカーナのオリーブオイルと栗スイーツ

イタリアのトスカーナ地方の名産は、なんといってもオリーブ。そのオリーブから絞られるオリーブオイルも非常に上質だということで知られています。そのオリーブの収穫時期は、主に11月! 熟成が必要なワインと異なり、フレッシュさが命のオリーブオイルは、絞られてから1週間程度寝かせれば美味しくいただけます。

つまり、オリーブオイルが一番美味しいのは秋だと言っても過言ではありません。トスカーナ料理をはじめ、イタリア料理全般にオリーブオイルは多用されているので、イタリア料理全体が美味しくなっているのではないでしょうか。

更にトスカーナの秋は、栗の収穫シーズンでもあります。栗を粉末状にした栗パウダーを使って焼かれる「Castagnaccio」は、最も一般的なトスカーナのデザートの1つ。栗パウダー以外の材料は主に、オリーブオイル、ローズマリー、マツの実やクルミが使われています。保存のきく栗パウダーで作られているため、年間を通して食べられます。けれど同じく秋が旬のオリーブオイルも使われているので、やはり秋に楽しみたいですね。

【北欧】狩猟シーズンのジビエとキノコ

北欧では、秋から冬にかけて狩猟が解禁されます。地域差もあるようですが、例えばスウェーデンでは「ヘラジカは10月中のみ」「アルプスウサギは9月から2月まで」といったように、動物によって狩猟が解禁されている時期が設定されています。そうやってハンターたちが仕留めた動物たちの肉を、一般のレストランでも「ジビエ」(Gibier)として提供しているのです。野性味の強い肉の味に合う濃厚なソースやコケモモのジャムを添えて食べる旬の味は格別です!

また北欧の秋は、キノコも美味しい季節。特にフィンランドは、「自然享受権」という「自然はみんなのもの」というルールのおかげで誰もが秋ならキノコ、夏ならベリーを採集できるのです。レストランで旬の味を楽しむだけでなく、街の喧騒を離れて森の散歩を楽しむのもいいかもしれませんね。

※ただしキノコの生食はやめましょう。

【オランダ&ベルギー】ムール貝の白ワイン蒸し

西ヨーロッパのオランダとベルギーでは、「秋の味覚」と言えばそれはムール貝! オランダとベルギーに流通するムール貝の大半は、オランダ南部のゼーラント州で生産されています。

ムール貝の流通自体は7月から翌4月まで行われているのですが、本当に美味しいのは「月の名前にRが付く時期」と言われています。つまり、9月(September)からの時期が最高に美味しいのです! 全国のスーパーマーケットでも、秋になるとムール貝がキロ単位でパック売りされるようになります。

食べ方の定番は、キャセロール鍋での白ワイン蒸し。セロリや玉ねぎ、ニンジンと共に蒸すので、鍋の底に残ったスープは貝と野菜のうま味が凝縮されています。フライドポテトと共にサーブされるのが、オランダ&ベルギー流です。白ワインやビールと最高に合う秋の味覚ですよ。

ヨーロッパ各地の秋の味覚、いかがでしたでしょうか。もし秋にヨーロッパを旅する機会があれば、ぜひ参考にしてみて下さい。

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