【平成の長崎】フィリピンへバッグも1135個送る 鉛筆運動の高校生ら 平成14(2002)年

 長崎の高校生が取り組んだ「高校生1万本鉛筆運動」に善意で寄せられた鉛筆など文房具類や通学用バッグが26日、フィリピンの子どもたちに向けて発送された。
 鉛筆運動は今年4月、被爆地長崎から反核反戦の声を訴える「高校生1万人署名活動実行委員会」が開始。全国から寄せられた鉛筆3万8千本などが、アフガニスタンやフィリピンの子どもに届けられている。
 今回はフィリピン・マニラ市のスラムにある子どもの支援施設「ブカスパラド」に、鉛筆1万本と学用品3千点のほか、長崎市のカバン製造販売・贈答品販売会社、三協(富森正之社長)が寄贈した通学用バッグ1135個も発送した。
 実行委の高校生約10人は同日、同社(同市田中町)を訪れ、段ボール32箱をトラックに積み込んだ。富森社長は約半年、輸送面や関税が掛からないようにする手続きに奔走しただけに、「高校生の熱意に打たれお手伝いしたが、感無量」と話した。
 一ノ瀬仁美さん(17)=長崎総科大付属高2年=は「多くの人の協力を得て、やっと届けることができ感謝してます。無事に届いて子どもたちが勉強に役立ててほしい」と話し、荷物を見送った。荷物は約一週間後に到着する予定。
(平成14年12月27日付長崎新聞より)
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鉛筆や通学用バッグが詰められた荷物を見送る高校生1万人署名実行委メンバー=長崎市、三協

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