『Sportskeeda』は10日、「レアル・マドリーの復活を祝うのが早すぎる5つの理由」という記事を掲載した。
バルセロナとのエル・クラシコで大敗し、それを受けてフレン・ロペテギ前監督を解任したレアル・マドリー。
その後Bチームからサンティアゴ・ソラーリ氏を暫定的に昇格させると、メリリャ、バジャドリー、ヴィクトリア・プルゼニに3連勝。一見調子を戻したようにも見える。
しかし、それでもレアル・マドリーの復活をまだ信じてはいけない理由とは?
まだ格下の相手としか戦っていない
ビッグクラブの監督の常套句は『相手がどうであれ難しい試合になる』というものだ。選手はどのチームも11人しか使うことができない。
とはいえ、優勝以外は失敗だとみなされるようなクラブと、それ以外のクラスのクラブでは、結果の受け取り方がまったく異なってくる。
レアル・マドリーがサンティアゴ・ソラーリ暫定監督の下で戦ったのは、これまでのところかなり格が落ちる相手でしかない。3部のメリリャ、残留争いのバジャドリー、そしてチャンピオンズリーグで戦えるだけでも成功といえるヴィクトリア・プルゼニ。
それらは、バルセロナやユヴェントスのように世界トップクラスの能力を持つクラブではない。
勝利自体はチームのメンタルと士気を高めるために必要なものであるが、ソラーリの下でのレアル・マドリーを評価するにあたって、十分なチェックシートを作ることはできない。
勝利が弱点を覆い隠している
ロペテギ体制のレアル・マドリーにおける悲惨なことは、フィニッシュが悪く、創造性がなく、組織が崩壊し、守備まで不安定だったという点だ。
最初の2つについてはずいぶん修正はされているが、後者の2つについてはまだその雰囲気を消し去ることはできていない。
バジャドリーとヴィクトリア・プルゼニにはそれぞれ2-0、5-0で勝利した。快適に勝点3を取ったようにも見えるが、このスコアは試合中の出来事をすべて反映したものではない。
後半最後に若きヴィニシウス・ジュニオールの活躍で乗り切ったバジャドリー戦。クルトワのセーブにも救われたヴィクトリア・プルゼニ戦。
ときには勝利することが弱点を覆い隠してしまうことがある。レアル・マドリーの3試合はそのようになる可能性もあり、まだソラーリがすべてを改善させたと信じることはできない。
ロペテギも最初はそうだった
フレン・ロペテギ監督は惨めに解任されたが、わずか2ヶ月前にはすべてが順調に進んでいるようにも見えたのだ。
スーペルコパでアトレティコ・マドリーに勝利し、その後の5試合で4勝した。ローマを3-0で破り、ベルナベウで14ゴールを決めた。
ベンゼマは4試合で5ゴールを決める活躍を見せ、ギャレス・ベイルは幾度も勝利に導いた。称賛の声は鳴り止まなかった。クリスティアーノ・ロナウドが去り、ようやく他の選手の能力が発揮されるようになったかと。
しかしエスパニョール戦での敗北から状況は大きく変わり始め、その物語はロペテギの解任という形で幕を閉じた。
勝利を重ねていくと、サンティアゴ・ソラーリが監督として継続される可能性は高まる。まだビッグクラブとの対戦もないままに…。
まだ怪我人が多い
サッカーの競技の性質を考えれば、選手の体には常にいくつかの怪我があるものだ。理想的なものではないが、負傷は試合の悲しい現実の一つである。
レアル・マドリーのファーストチームには怪我人が多く、これはロペテギが苦戦した理由の一つだと言える。
イスコ、ベイル、マルセロ、カルバハル。彼らはロペテギ監督の下で離脱してしまい、実績あるプレーヤーを失ってしまった。
レアル・マドリーのメンバーはまだ選手層が薄い状況が続いており、クリスティアーノ・ロナウドの退団とキープレーヤーの怪我が響いている。
セルヒオ・レギロンやオドリオソラ、ヴィニシウス・ジュニオールが印象を残しているとはいえ、これからの厳しい戦いに臨むにあたっては「厚み」が足りない。
ルカ・モドリッチが本調子に戻らない
2012年にレアル・マドリーへやってきてから輝かしいパフォーマンスをずっと見せてきたモドリッチ。世界最高のプレーメーカーの一人として評価され、攻撃を構築するには欠かせない存在だった。
クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシに長い間独占されていた世界最高選手の賞を奪い取ることにも成功した。
しかし、ワールドカップを終えてからの4ヶ月間、彼のパフォーマンスはこの6年間で最悪のものだ。それがロペテギ監督の解任に繋がったことは間違いない。
ソラーリ暫定監督の下で3試合に勝利したレアル・マドリーであるが、そのプレーにはモドリッチの創造性が欠けている。
彼のパフォーマンスはビッグマッチでこそ必要になるものであり、このままモドリッチが不調を続けるようであれば、クラシコの悪夢が再現されるかもしれない。