武豊通算4千勝祝う 横浜のアトリエが記念スカーフを作製

 競馬の武豊騎手の日本中央競馬会(JRA)通算4千勝を祝おうと、「横浜スカーフ」などの製造・販売を手掛けるアトリエモモ(横浜市中区)が記念のスカーフを作製した。横浜が日本の競馬発祥の地で、シルクスカーフの生産地であることなどから白羽の矢が立ち、JRAが“公認”。代表でデザイナーのオノキョウコさん=同市中区=は「欧州の有名ブランドにも負けない品質を目指した。横浜の地場産品を知ってもらうきっかけになれば」と話している。

 同社は半年ほど前にJRAからスカーフ作製の依頼を受けた。JRAは当初、欧州の有名ブランドへの発注も考えていたが、横浜の中でも同社が馬車道にあることから依頼したという。

 スカーフは一辺が108センチの正方形。武騎手が勝利したレースで着ていた「勝負服」と呼ばれるユニホーム4千着が約1・5センチの大きさで並び、細かいボタンの部分まで忠実に表現されている。縁の部分は武騎手のリクエストにより「京紫」色で、有名ブランドの高級品でも用いられる手縫いの「手巻き仕上げ」を採用。16色の鮮やかな色使いで、横浜スカーフ特有である伝統の手捺染(なっせん)技術を用いている。

 オノさんは「デザインは事前に準備できるが、4千勝してからでないと実際の製造作業に入れず、納期に間に合うか気をもんでいた」と振り返る。9月29日の4千勝達成後すぐに最終的なデザインのデータを工場に送ったという。10月の面会時、武騎手は「素晴らしい作品。すごいきれい」と喜んでいたという。

 作製したスカーフは2枚で、1枚は武騎手に贈られる。もう1枚はJRA競馬博物館(東京都府中市)で開催中の記念展「祝・武豊騎手JRA通算4000勝達成-これまでもこれからも騎手・武豊-」で、12月9日まで展示されている。

 オノさんは「外国製スカーフの中には、絵や色がずれていることもあるが、ずれもなく素晴らしい出来。職人技の手仕事を間近で見てほしい」と話している。

 問い合わせは、同博物館電話042(314)5800。

オノさんが作製したスカーフを手にする武豊騎手(右)とオノさん(オノさん提供)

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