空き家活用し交流 12月のオープン目指す 中井町

 中井町の主婦らが地域の交流拠点づくりに取り組んでいる。町内に空き家を借りて自分たちでリフォームし、12月ごろのオープンを目指す。子どもたちが集まって遊んだり宿題をしたり、母親同士がおしゃべりをしたり、「コミュニティーの場を木が育つように根付かせたい」と意気込んでいる。

 名前は「まだ考え中」という交流拠点を開設するのは、町内を中心に活動する「NPO法人 子育ての輪Lei」。現理事長の海野美和さんと、現副理事長で1級建築士の磯辺友里さんの出会いを機に、「地域に集まってつながれる場をつくろう」と2016年11月に設立した。

 毎月1回、母親向けの防災講座や、1人暮らしの高齢者や親子が集まって夕食を取る「コミュニティ食堂おにぎり」を開いたり、農産物や手工芸品などの生産者と消費者をつなぐ「レインボーマーケット」を隔月で開催したりと、幅広い活動を展開している。

 特色は「してあげる、ではなく、場をつくるNPO法人」と磯辺さん。食堂では用意した料理をただ振る舞うのではなく、参加者も交えて調理するなど、「コミュニケーションのお手伝い」を心掛けている。

 これまでは町内外の公共施設などを借りており、活動の拠点となる場所を探していたところ、活動に賛同した町民が「自由に使っていい」と、同町遠藤にある木造2階建ての空き家を格安で貸してくれることになったという。

 10月21日のリフォーム初日には、NPO法人の理事や家族、地域のボランティアら約15人が集まり、早速、室内の清掃や壁の塗り替えに取り掛かった。

 12月以降、町民らが気軽に立ち寄れるカフェのようなスペースを設けて、ワークショップなどさまざまなイベントを開くほか、NPO法人の事務所としても活用予定。海野さんは「ここに来た人がみんな笑顔になって帰っていける場所にしたい」と話している。

交流拠点へのリフォームで、壁のペンキ塗りを手伝う子どもたち=中井町遠藤

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