11日未明に横浜市神奈川区の大口通商店街で、女性が何者かに刃物のようなもので刺されて重傷を負った事件。商店街関係者は「人が刺されるような事件は聞いたことがない」とショックを隠せない様子だったが、容疑者逮捕の報に「心底ほっとした」と漏らした。
「女性の『きゃー』という悲鳴と、『痛い、痛い。助けて』という声を聞いた」。新聞配達の準備中に、女性に助けを求められて通報した新聞販売店の男性店主(60)は当時の状況をこう振り返った。上半身を押さえる女性の手には血が付いていたという。
現場には血痕が残り、県警が付近の通行を規制して鑑識活動に当たるなど、休日の商店街は重々しい雰囲気に包まれた。12日から、商店街で小学生の体験学習が予定されていたが、事件を受けて延期となった。商店街の理事長を務める男性(66)は「数年前に防犯カメラを増やし、防犯面の対策はしっかりしている。事件が起きたことは残念だが、早期に容疑者が逮捕されてよかった」。
洋品店の男性店主(65)も「この商店街で育ったが、こんな事件は聞いたことがなかった。女性の回復を祈ります」と話した。
近隣の小学校では12日、普段から行っている登下校時の児童の見守り活動を強化。教員や保護者らが付き添って集団登下校を行った。事件を受け、不要不急の外出を控えることや、なるべく子どもを1人にしないことなどを保護者に呼び掛けていた。