堂々と 伝統の長坂浮立 江迎小児童と保存会

 長崎県佐世保市江迎町の市立江迎小(立木昭夫校長、186人)の4~6年生の94人が11日、地元に伝わる市無形民俗文化財の伝統芸能「長坂浮立」を市江迎支所の前などで披露した。

 長坂浮立は、江戸時代の天保年間(1830~45)に始まり、五穀豊穣(ほうじょう)を願う。同校の児童は伝統文化を学び、郷土愛を育むため、1987年から毎年、長坂浮立保存会(松永信義会長)の指導を受けて練習。秋の学習発表会「江小まつり」で披露している。

 今年は、地域と一体となって伝統を受け継ごうと、保存会の約40人と共演。着物などを身に着けた一行は、笛を吹いたり、太鼓やかねを鳴らしたり、筒を頭上で交差させて踊ったりした。沿道では保護者や住民が拍手を送り、カメラやビデオで撮影していた。

 6年の池野殊観(ことみ)さん(12)は「初めての外での披露で緊張した。保存会の指導のおかげで、みんなで力を合わせ、一番素晴らしい演技ができた。5年生が引っ張り、もっといい浮立にしてほしい」と話した。松永会長(71)は「子どもたちはよくやってくれた」と目を細めていた。

長坂浮立を堂々と披露する児童ら=佐世保市江迎町

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