城ケ島大橋無料へ 地元要望受け、黒岩知事

 県は13日、三浦半島とその南端の城ケ島(三浦市)をつなぐ県管理の有料道路「城ケ島大橋」を無料化する、と発表した。島民ら一部を除いて渡橋料を徴収してきたが、地元や京浜急行電鉄(東京都港区)が観光促進のために島西部で行う再整備に合わせ、地元要望の強かった無料化に踏み切る。

 県が同日、県庁で会見を開き、黒岩祐治知事が明らかにした。無料化の具体的な時期について、知事は「(再整備が)進み始めたと実感できた段階で、なるべく早く踏み切りたい」と述べるにとどめた。

 城ケ島大橋は県が約7億円をかけて整備し、1960年4月に完成した。全長575メートルで、渡橋料は車種ごとに50~530円。79年度に償還したが、県は橋の維持・管理を理由に徴収を続けてきた。

 島民や島内の水産関連事業者は車両を登録すれば無料になるが、半島と島を行き来するタクシーなどは有料で、地元住民らの間で無料化を求める声が多かった。城ケ島観光協会などは11年秋、4万筆超の署名とともに県議会に請願を提出し、県議会は全会一致で採択していた。

 今回の無料化は、県が城ケ島・三崎地域で取り組む「新たな観光の核づくり事業」と連動。島西部の魅力を向上させるため、地元が拠点や商店街の景観などを整備し、京急が中核施設で築53年の「城ケ島京急ホテル」(全30室)を22年頃を目標に建て替えるのに合わせ、実施する。

 会見には、吉田英男三浦市長、加藤治彦城ケ島区長、京急の原田一之取締役社長も出席。加藤区長は「無料化は長年にわたる念願」と喜び、吉田市長も「(無料化を)約束してもらったことは大きな成果」と県の判断を歓迎した。

島西部の再整備に合わせ、無料になる城ケ島大橋

© 株式会社神奈川新聞社