「LAND CHAPEL」22日オープン

 長崎県佐世保市鹿子前町の九十九島ベイサイドホテル&リゾートフラッグスに、婚礼用の新しいチャペル「LAND CHAPEL」が完成し、22日にオープンする。運営する冠婚葬祭大手メモリード(総合本部・西彼長与町)は16日、現地で献堂式と祝賀会を開いた。
 新国立競技場を手掛けるなど世界的な建築家、隈研吾氏(64)が設計。建物の内側と外側の壁面に「グリーン・リング」という筒状の輪をいくつも施した独特のデザインが目を引く。外壁のリングには自生種の植物を入れ自然との調和を表現。広さ約100平方メートルあり、着席で60人まで入ることができる。
 献堂式では祈りをささげ、終了後に出席者が風船を飛ばして完成を祝った。祝賀会で、メモリードの吉田茂視代表取締役会長は「佐世保には海と山と島があり、それにマッチした『大地の教会』だ。多くのカップルがここを旅立ち、新しい生活をスタートさせてほしい」と述べた。

◎建築家・隈研吾氏 一問一答/「地域のモニュメントに」

 九十九島ベイサイドホテル&リゾートフラッグスに完成した「LAND CHAPEL」。設計者の隈研吾氏(64)が取材に応じ、「地域のモニュメントになってほしい」と期待を込めた。一問一答は次の通り。

 -設計のコンセプトは。
 建築は人工物と考えられていたが、自然と一体となることを重視する新たな流れがあり、それを象徴している。九十九島は、水面に島が浮かんでいるように見え、水と陸との会話を感じられる。「グリーン・リング」は一つ一つの島を表現した。この景色は日本でも特別だ。

 -完成した姿をどう見たか。
 グリーン・リングの緑が育ち、建物を覆い隠すところを見たい。時間がたてば自然と一体化し、よりいい状態になる。夫婦の理想は、時間がたつほど愛が深まること。それに似ている。

 -どんな施設になることを期待するか。
 九十九島の自然を象徴する施設として、チャペルの枠を超えて地域のモニュメントになってほしい。

 -これから長崎に、どういった建築物が必要か。
 世界20カ国ほどで仕事をしているが、長崎の自然や文化の個性は独特だと感じる。日本の中でも高いポテンシャルがある。メモリードと一緒に宿泊施設も手掛けているが、今は豪華な施設よりも、その場所ならではの文化が感じられる施設が求められる。私自身も、長崎の自慢できるものを追求していきたい。

風船を飛ばしてチャペル完成を祝う関係者=佐世保市鹿子前町
「チャペルの枠を超えて地域のモニュメントになってほしい」と語る隈氏=佐世保市、九十九島ベイサイドホテル&リゾートフラッグス

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