880万円の“掘り出し物”フランスア、低迷エルドレッド…広島の助っ人診断

今季限りでの広島退団が決まったエルドレッド【写真:荒川祐史】

ジョンソンは2年ぶり2桁勝利で復活

 球団史上初セ・リーグ3連覇を果たした2018年の広島。シーズン序盤から首位に駆け上がると、そのまま一度も他球団にトップの座を明け渡すことなく、そのままゴールテープを切った。82勝59敗2分の貯金23。2位ヤクルトに7ゲーム差をつける貫禄のV3だった。

 昨季は苦汁を嘗めさせられたクライマックスシリーズでも、3位から進出してきた巨人に圧巻の3連勝。労せずして日本シリーズに駒を進めた。だが、悲願の日本一を狙った日本シリーズでは、ソフトバンクの高く分厚い壁に跳ね返され、1勝4敗1分で涙。1984年から遠ざかっている日本一に、またしても手が届かなかった。

 今季、広島は8人の外国人選手を抱え、4つの外国人枠の中でやり繰りした。その中でも最も衝撃的な活躍を見せたのが、5月26日の中日戦で1軍初登板を飾ったフランスア投手だった。ドミニカカープアカデミー出身の25歳は今季、育成選手として入団。左腕から繰り出す150キロ台半ばの真っ直ぐは驚愕の威力を誇り、開幕からわずか2か月で支配下契約を勝ち取った。

 当初は先発で起用されたが、中継ぎに配置されると実力を存分に発揮。シーズン終盤には勝利の方程式に欠かせぬ存在となり、47試合に投げて3勝4敗1セーブ19ホールドをマーク。防御率1.66も圧巻の成績だが、何より凄かったのは、65イニングで81三振を記録した奪三振率の高さ。広島の3連覇は年俸880万円(推定)の25歳なくしては語れないだろう。

 来日4年目となったジョンソンは2年ぶりの2桁勝利となる11勝を挙げ、健在ぶりを証明。途中加入のヘルウェグは制球に難があるものの、160キロに迫るストレートは威力十分だった。バティスタは自己最多となる25本塁打をマーク。まだまだ荒削りで、守備面の不安も残るものの、破壊力抜群のパワーはやはり魅力だ。

エルドレッド、ジャクソン、カンポスは退団が決定

 一方で、2012年から7年間にわたり広島でプレーしたエルドレッドは、来日後最少となる38試合出場にとどまり、ファーム暮らしの日々が続いた。市内を“ママチャリ”で移動する姿はおなじみで、広島ファンを愛し、ファンから愛される存在だったが、残念ながら今季での退団が決まった。セットアッパーのジャクソンは25ホールドを記録したものの、こちらも今季限りで退団となる。

 フランスアが台頭し、ジョンソン、バティスタも貢献した広島。100点満点とはいかないまでも、助っ人補強は合格点だったと言えるのではないだろうか。

【広島の今季助っ人成績】

クリス・ジョンソン投手
24試合11勝5敗0セーブ0ホールド 144.2回 113三振 防御率3.11

ジェイ・ジャクソン投手(退団決定)
48試合3勝2敗1セーブ25ホールド 45.2回 48三振 防御率2.76

ジョニー・ヘルウェグ投手
7試合0勝0敗0セーブ2ホールド 8回 10三振 防御率1.13

レオネル・カンポス投手(退団決定)
1試合0勝0敗0セーブ0ホールド 1回 0三振 防御率0.00

ヘロニモ・フランスア投手
47試合3勝4敗1セーブ19ホールド 65回 81三振 防御率1.66

ブラッド・エルドレッド内野手(退団決定)
38試合80打数17安打5本塁打14打点 11四球 0盗塁 .213

サビエル・バティスタ外野手
99試合273打数66安打25本塁打55打点 26四球 0盗塁 .242

アレハンドロ・メヒア外野手
22試合41打数11安打3本塁打7打点 2四球 1盗塁 .268(Full-Count編集部)

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