故郷に錦を飾れるか 2019年シーズン地元凱旋となるパ・リーグ選手たち

西武・山川穂高【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

日本ハム・鶴岡は古巣復帰後初となる地元凱旋

 11月7日に2019年のセ・パ公式戦の日程が発表され、同時に地方球場での試合開催の予定も確定する運びとなった。現在プロ野球に存在している12球団の本拠地以外の県出身である選手にとって、地方での試合は故郷のファンに自らのプレーを披露するための貴重な機会にもなっている。

 そこで、今回は2019年のパ・リーグ公式戦で久々に故郷への凱旋を果たす予定となっている選手たちを紹介し、その背景や地元での試合にかかる期待について記していきたい。

来季、故郷への凱旋を果たす主な選手は以下の通り。

【日本ハム】
鶴岡慎也捕手(鹿児島県出身、5月19日対ソフトバンク戦:鹿児島)

 鶴岡は福岡ソフトバンクに所属していた2015年4月11日の試合で、当時の古巣であり現所属チームでもある北海道日本ハムを相手に鹿児島で公式戦を戦っている。それから3年が経過し、再び立場を変えて臨む古巣との一戦。ファイターズの一員として改めて地元凱旋を果たす鶴岡は、攻守により円熟味を増したプレーを故郷のファンへと披露してくれるだろうか。

西武多和田は昨年の雪辱なるか?

【西武】
多和田真三郎投手(沖縄県出身、5月21日・22日対ソフトバンク戦:那覇)
山川穂高内野手(沖縄県出身、5月21日・22日対ソフトバンク戦:那覇)
外崎修汰内野手(青森県出身、5月29日対楽天戦:弘前)

 多和田は那覇で開催された2017年6月28日のロッテ戦で先発のマウンドを踏んだが、5.1回を3失点という内容で勝敗はつかず、凱旋勝利を飾ることはできなかった。仮に2年ぶりとなる故郷での登板がかなった暁には、かつて果たせなかった地元での白星に期待したいところだ。

 一方、多和田と同じく沖縄出身の山川にとっては、今回の沖縄遠征が自身初となる地元での1軍公式戦出場となりそうだ。今や押しも押されもせぬライオンズの4番となった山川選手だが、先述した2017年の試合が行われた際には1軍昇格を果たせず。地元で打席に立つことはかなわなかった。2018年のパ・リーグ本塁打王は来季もその打棒を発揮し続け、今度こそ満を持しての凱旋を果たしてくれるだろうか。

 山川同様に、青森県弘前市出身の外崎にとっても2019年は自身初の地元凱旋が見込まれるシーズンとなる。外崎といえば出身地の弘前市で実家がりんご園を営んでいることでも有名であり、実際にファン感謝デーでは実家で採れたりんごが販売されるほど、選手のみならず実家までもがファンからも人気を集めているという特異な存在だ。

 そんな外崎にとって晴れ舞台ともいえる青森での一戦で、俊足強打のユーティリティプレイヤーはどんなプレーを見せてくれるか。

ソフトバンク川島は13年目で初の地元凱旋へ

【ソフトバンク】
川島慶三内野手(長崎県出身、4月9日対日本ハム戦:長崎)
東浜巨投手(沖縄県出身、5月21日・22日対西武戦:那覇)
嘉弥真新也投手(沖縄県出身、5月21日・22日対西武戦:那覇)

 プロ13年目のシーズンを終えた川島は、これまで日本ハム、ヤクルト、そしてソフトバンクと3球団を渡り歩いてきた豊富な経験の持ち主だ。しかし、出身地の長崎県で1軍の公式戦を戦った経験はこれまで一度もなかった。

 36歳となる2019年のシーズンについに訪れた絶好の機会で凱旋を果たすため、来季もこれまでと同様にスーパーサブとして確かな存在感を発揮し続けてほしいところだ。

 ソフトバンクは昨季も日本ハムの主催試合という形で那覇での公式戦を戦ったが、東浜は故障で戦列を離れており、嘉弥真は試合展開の影響で2試合とも登板機会は訪れず。ともに沖縄出身である両選手にとっては残念な形となってしまった。それだけに、それぞれチームを支える存在へと飛躍を遂げている左右の好投手は、今季こそ故郷のファンに対してそのピッチングを披露したいところだろう。

 以上のように、今季はこれまで地元での試合が開催されていなかった選手や、凱旋となる可能性のあった試合で出場機会を得られなかった選手が少なからず故郷での試合に参加できそうな日程となっている。プロの舞台で主力として勇躍する郷土のヒーローたちのプレーが見られることを、きっと多くのファンが心待ちにしているはずだ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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