16日行われたフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第5戦ロシア杯の女子ショートプログラム(SP)でルール改正後の自身の世界最高得点を更新するなど、平昌冬季五輪優勝後も世界トップの実力を維持しているロシアのアリーナ・ザギトワ選手(16)だが、練習に嫌気がさし、フィギュアスケートを離れることを考えた時期もあったようだ。同選手のコーチが17日までに、ロシア政府系テレビ第1チャンネルのインタビューで明らかにした。
ザギトワ選手以外にも、五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ選手らを育てたことでも知られるロシアの著名女性コーチ、エテリ・トゥトベリゼさんによると、ザギトワ選手は昨年夏、突然意気消沈し、自分の部屋に閉じこもり、トレーニングに出てこなくなった。
トゥトベリゼさんは「スケート靴を履いたまま逃げ出したんだけど、私たちは彼女を捕まえて、滑り続けなくては駄目よと説得した。その結果が五輪のチャンピオンでした」と過去のエピソードを明かした上で「私はコーチとして女の子たち(教え子の女子フィギュア選手)に言うの。練習しなさい、そうすればこれと、これと、これが得られるから。彼女たちが成果を得たとき、私は聞くの。『私のいったことは間違っていた?』 彼女たちは『いいえ』と答えるわ」と自身のトレーニング論を披歴した。
ザギトワ選手は当時15歳だった。トゥトベリゼさんはロシアで、多くの世界的な女子フィギュア選手を育成したことで知られる。厳しい指導に加え滅多に笑わないことから「雪の女王」とのニックネームも持っている。 (共同通信=太田清)