日本の歩む道、熱弁 相模原で弁論大会

 憲政の神様と呼ばれた相模原市出身の政治家、尾崎行雄を記念した「第16回尾崎行雄(咢堂)杯演説大会」が17日、同市緑区の杜のホールはしもとで開かれた。市民有志らでつくる「尾崎行雄を全国に発信する会」の主催で、約500人が来場。「日本の歩む道」をテーマに、40歳未満を対象に募集。36人の中から選考を経た6人の若者が、情熱の込もった弁論を繰り広げた。

 演説大会では山口大学3年浦田詩織さんと、イラン人の父と日本人の母を持つ東京大学1年小野寺改主さんの2人が、優秀賞に選ばれた。

 浦田さんは「命の尊厳が重んじられる社会へ~死刑制度を巡って考える」と題し、「死刑以外で遺族の感情を回復する制度が必要。日本が命の大切さを知って向き合う国であってほしい」などと主張。小野寺さんは、周囲からの偏見に苦しんだ体験を踏まえ「一部のイメージでイスラム教徒全体を『恐い』と思うようなことをせず、真に一人一人に向き合うことが大切」と訴えた。最優秀賞は該当者がなかった。

 審査委員長の宮台真司・首都大学東京教授は「論旨が散漫になっているケースがあり、もっと絞り込んで分析し、具体的な結論を示した方が良かった」などと講評した。

 公明党の山口那津男代表は「日本の歩む道」と題して記念講演。「尾崎行雄の考え方が日本国憲法の平和主義、国際協調主義となっている。憲法9条を改正する必要があるかどうかは、慎重に考えなくてはならない」などと語った。いずれも参院議員の松沢成文、佐々木さやか(ともに神奈川選挙区)、丸山和也の3氏によるパネル討論も行われた。

力の込もった演説を展開する参加者=相模原市緑区

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