地球市民集会ナガサキ 「平和活動」参加経験2割 全国の若者1200人調査 核問題 関心8割

 長崎県長崎市で開催中の国際会議「第6回核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」2日目の17日は、核軍縮専門家や若者らによる二つの分科会があった。分科会「次世代とつくる核なき世界」では、全国の高校生や大学生らの8割が核兵器に関する問題に関心を寄せる一方、関係する平和活動やイベントへの参加経験がある人は関心があると答えた人のうち2割にとどまることが、長崎県内学生のグループが約1200人を対象にした意識調査で明らかになった。

 学生グループの一員で長崎大3年の中島大樹さん(21)が調査結果を発表。平和活動の推進に向け、国内の若者のそれぞれの活動を共有・発信する全国組織「ユース・ネットワーク・フォー・ピース」の設立構想も表明した。平和教育プログラムの普及や共同声明、会議の実施に向けて活動を続け、2020年までの定着を目指す。

 意識調査は選択式と記述式で計16問。10~11月にインターネットや調査票を使って実施、計1187人が回答した。核問題への関心が「とてもある」(25%)と「少しある」(54%)で合わせて79%に上った。一方、関心がある人のうち活動・イベントに参加したことがある人は20%にとどまり、参加しづらい理由に「知識不足」「批判や中傷を懸念」「就職に影響が出そう」などの意見が出た。

 ほか「核なき世界」の実現可能性は「どちらかといえば低い」「まったくない」で計79%。日本政府が核兵器禁止条約に「即時に署名すべき」は47%-など。

 分科会では、調査結果を基に国内外の専門家や学生らが意見交換。米ミドルベリー国際大学院の研究所助手、ジョセフ・ロジャーズさんは若者が核廃絶に関心を持たない現状は「米国も同じ」として、ソーシャルメディアで若者と核の専門家がつながる仕組みが必要だと指摘。韓国・慶北大学校の学生、朴祥雨(パクサンウ)さんは「韓国の若者は政治に関心が高い。日本でも単に話し合って考えるだけではなく、行動していくことが必要だと思う」と語った。

 その後、市民などの参加者約100人がグループに分かれて平和活動推進に必要なことを議論。平和活動が若者の雇用にもつながるように「観光と絡めて『平和産業』が必要」などの意見が出た。

分科会で核兵器廃絶に向け、どう行動すべきかアイデアを出し合う若者ら=長崎県長崎市平野町、長崎市平和会館
核問題への関心と「核なき世界」の可能性

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