横須賀商議所90周年式典 市長や小泉進次郎氏が祝辞

 横須賀商工会議所の創立90周年式典が17日、横須賀市稲岡町の神奈川歯科大学で開かれ、会員や市民ら約800人が節目の年を祝った。「よこすか未来創造提言」と銘打ち、空き店舗を活用したまちづくりや歴史・産業遺産ミュージアムなどの構想を打ち出し、地域の発展を誓った。

 平松廣司会頭は「日本の表舞台に立ってきた横須賀も人口減少という課題に直面している。次の100周年へ、どうしたら企業が元気になるか、街を活気づけられるか。産業界全体で考え、皆さんと実行していきたい」とあいさつ。上地克明市長や小泉進次郎衆院議員ら来賓が祝辞を述べた。

 未来創造提言として3項目の構想を発表。「まちの寄(やどりき)」事業は、商店街の空き店舗を憩いの場にして商店と住民の交流の場に活用。「海の活用プロジェクト」は、三方を海に囲まれた市民のライフスタイルを新たな価値として発信するツーリズムの考え方を打ち出した。軍港都市として発展した技術や産業遺産に光を当てる「(仮称)よこすか歴史・産業未来館」構想なども提案した。

 式典後、俳優の小泉孝太郎さんのトークショーも行われた。同商議所は1928年11月に創立。県内で横浜に次いで2番目に発足した。

◆幅広い人脈や人材育成貢献 小沢氏を功労特別表彰

 記念式典では永年功労特別表彰者として、商議所議員を50年以上務めた名誉会頭の小沢一彦・日本水産観光代表取締役(81)に表彰状と記念品が贈られた。

 小沢氏は1967年に商議所の議員となり、88年に副会頭、95年から2007年まで会頭を務めた。日本青年会議所会頭も務めるなど中央政財界に幅広い人脈を持ち、小泉純一郎元首相も厚い信頼を寄せてきた。

 会頭時代は「海軍カレー」のネーミングを当時の蒲谷亮一市長に伝え「カレーの街よこすか」の振興につなげたほか、若者のキャリア教育など人づくり事業にも熱心だった。米海軍との信頼関係を築き、基地と会員企業とのビジネス連携も深めた。

盛大に開催された横須賀商工会議所の90周年記念式典=神奈川歯科大学講堂

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