森下典子 「日日是好日」読み終えた後には"今"を今よりもきっと楽しみたく、日々を丁寧に生き、もっと季節を感じたくなる

「本物を見て、感じなさい。」と母に教わり“好き”と感じたものは長く習っていました。お菓子を食べ、苦いお抹茶を口にするだけではなく、茶道を通して人生の先輩達と接し、季節をお菓子や作法で見て、匂いで感じることを学び、全ては一期一会、と物心ついたときから学べた環境。本作品を久しぶりに手に取り、ページをめくると慌ただしい生活で忘れてしまいそうな人を大切に思う心を思い出させてくれる。そして、読み終えた後には“今”を今よりもきっと楽しみたく、日々を丁寧に生き、もっと季節を感じたくなる。

―会いたいと思ったら、会わなければならない。恋をしたら、溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。-

目の前のことだけに夢中にならず、人生はきっと長くまだまだ学びの連続。これから師走。新しい年を迎える前に、本作品と共にひと息つくのも悪くないと思いますよ。ひとやすみも大切。(阿佐ヶ谷ロフトA:おくはらしおり)

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