【新幹線殺傷】殺人罪で男を起訴 「刑務所入りたかった」

 新横浜-小田原間を走行中の東海道新幹線で6月に乗客3人が殺傷された事件で、横浜地検小田原支部は19日、殺人と殺人未遂、銃刀法違反の罪で、無職小島一朗容疑者(22)=住居不定=を起訴した。捜査関係者によると、小島被告が「刑務所に入りたかった」「(新幹線を選んだのは)誰にも邪魔されないと思った」などと供述していたことも判明した。

 被告は7月13日から11月13日まで、事件当時の精神状態を調べるために鑑定留置されていた。同支部は精神鑑定の結果を踏まえ、被告に刑事責任能力があり罪に問えると判断したとみられる。認否は明らかにしていない。

 起訴状などによると、被告は6月9日夜、東京発新大阪行きのぞみ265号(16号編成)で、なたなどで近くに座っていた女性2人に切り付けて重軽傷を負わせ、制止しようとした兵庫県尼崎市の会社員の男性=当時(38)=の首や足を多数回切り付けるなどして殺害した、とされる。

 男性の遺族は弁護士を通じて、「突然家族を失われた悲しみが癒えることはありません。このような悲しいつらい事件が起きないよう願うのみです」とコメントした。

刺傷事件が起き、小田原駅に停車している新幹線=6月9日

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