マツダユーザーが求めた3列シートモデル
ファミリーカーのスタンダードとしてSUVが受け入れられるようになり、数多くのメーカーがSUVの開発に注力し日々しのぎを削っています。
そんなSUV戦国時代ともいうべき様相を呈している中、マツダはコンパクトSUVのCX-3、ミドルクラスSUVとしてマツダの躍進に大きく貢献したCX-5、そして、マツダSUV3兄弟の長男に当たるCX-8をラインナップ。
また、マツダが3列シートミニバンから撤退してしまい、3列シートを求めるマツダユーザーの声が後を絶たないのも事実で、CX-8にはその穴を埋めるという役割があるのです。
今回の記事では、「2018-2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカーにも選出され、発売開始からちょうど1年を迎えたマツダ CX-8の魅力や特長について再確認していきたいと思います。
長くなり均整の取れたスタイリング
※左:CX-8 右CX-5
CX-8の全長はCX-5と比較すると355mm長い4900mmで、車内の広さに大きく影響するするホイールベースは230mm長い2930mmとなり、車内に3列目のシートが備わるのはもちろんのこと、横からの見た目でもその違いがはっきりと認識できます。
対して全幅は1840mmと変わらず、決して小さい部類に入るサイズではありませんが、道幅の狭い日本の道路でも取り回しに苦労することはありません。
力強さと生命感にあふれるエクステリア
マツダのデザインフィロソフィーである“魂動デザイン”が採用された外観は、丸みを帯びた滑らかな曲線で構成され、CX-5よりもストレッチされた全長により伸びやかで落ち着いた印象になっています。
さらに、野生動物の隆起した筋肉のような力強さと生命感を併せ持ったエクステリアデザインは、魂動デザインの真骨頂とも言える仕上がりです。
最上級SUVにも引けを取らないインテリア
CX-5と共通のインパネ回りでありながらも、本杢パネルや本革を採用するなど、各部の素材がより高級感のある上質な素材に変更されています。
そして、CX-8最大の注目点である3列目シートは、このクラスにありがちな応急用ではなく、大人でも十分快適に過ごせる空間を確保。Lサイズのミニバンと比較すると、決して広々というわけではありませんが、肉厚で適度にホールド性のある形状と相まって、2時間程度のドライブであれば楽に移動することができるでしょう。
待望のガソリンターボの導入で選べるエンジンは3種類
CX-8に用意されるエンジンは、2.2リッターディーゼルターボと、2018年の改良モデルで搭載されたガソリンエンジンの2.5リッターNAと2.5リッターターボの計3種類。ディーゼルターボエンジン搭載モデルでは2WDと4WDが選択可能である一方、ガソリンエンジンの2.5リッターNAモデルは2WDのみ、ターボモデルは4WDのみという設定です。
今やマツダの代名詞とも言えるディーゼルエンジン“SKYACTIV-D”が本命とされがちですが、後発となるガソリンターボエンジンのSKYACTIV-Gもオートックワンの評論家陣からは高評価を得ています。
燃費や動力性能が気になるという方は、ぜひ試乗レポートや燃費レポートの記事をご覧ください。
マツダ CX-8の試乗及び燃費レポート
進化した“Gベクタリングコントロールプラス”
登場当初から高い評価を獲得している技術の一つに、Gベクタリングコントロールがあります。これは、ハンドル操作に合わせてエンジンの出力をわずかに絞り、回頭性と安定性をもたらすというものです。
2018年の改良モデルでは、さらに“Gベクタリングコントロールプラス”へと進化させ、ハンドルの切込み時だけでなく、直進状態に戻る際に4輪のブレーキをわずかに作動させ、これまで以上に安定性と乗り心地を向上させることに成功しています。
もともとシャシー剛性が高く、ホイールベースの長いCX-8は乗り心地に関しても高い評価を得てきましたが、Gベクタリングコントロールプラスの採用により、高級車と肩を並べるレベルになったと言っても良いでしょう。
先進安全技術を全グレードに標準装備
インテリアカラー:ディープレッド
マツダの安全思想である「MAZDA PROACTIVE SAFETY」のもと、CX-8には国が推奨する安全基準である“セーフティ・サポートカーS ワイド”に該当する、多くの先進の予防安全技術が標準装備されています。
歩行者を検知する自動ブレーキはもちろんのこと、車線逸脱警報システムやAT誤発進抑制制御を備え、ドライビングポジションにもこだわった疲れにくく操作しやすいパッケージとすることで、より安心で快適なドライビングを実現しているのです。